熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
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6.外国人の受入れと共生について
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◆(城下広作君) 私は、技術短期大学を菊陽町の土地区画整理に移転したらどうかなと考えていますと5人の方に聞いてみましたら、それはたいぎゃよか考えといういうふうに評価をしていただきました。県ではなかなか厳しい結果でございました。残念でございます。 ただ、複線化に関しては、ぜひやらないと、どこかで、単線だけでは、速達性とか大量輸送とかという形が結果的に難しくなる。そうした場合に、いろいろとずっと熊本駅から空港まで考えましたところ、やはりここが一番条件的にはいい。大津駅から空港までだったら、新しく今からするから比較できやすいんです、条件的に。ただお金がかかると、この区間は。高い橋になったり、またトンネルがあったりとか、いろんな形で。そうすると、現実的には区画整理をされるこの区間というのは、非常に、複線化して、そしてここで離合させるダイヤを考えれば、これは可能性が高いなということで、答弁でも、有力な手段の一つと言われましたので、ぜひそこは町と協議しながら、またJRともぜひ協議していただいて進めていただければと思います。よろしくお願いをいたします。 次に、外国人の受入れと共生についてでございます。 私は、2月4日、群馬県邑楽郡大泉町役場を訪問しました。目的は、昨年、SNSの情報で「住民の2割以上が外国人の町」という大きな見出しが目に留まり、本県でも増えつつある外国人の対応について参考になるのではと思い、視察を決めました。 事前に大泉町役場に連絡を取りましたら、やはり国会議員や地方議員の視察はよくあるとのことで、その際は、町長自ら説明されることが多いと聞きました。あいにく私の視察の日は町長が不在でしたが、町長の御配慮で丁寧な対応をしていただきました。 説明は、企画部多文化協働課の女性の課長を中心に、具体的な内容を伺いました。その説明から、昨年12月末現在で、町の総人口4万1,653人、外国人人口、55か国8,871人、外国人比率21.3%という具体的な数字を聞き、5人に1人が外国人であることに改めてびっくりしました。 国別人口で見てみますと、ブラジル4,686人、外国人人口割合は52.8%が一番で、次にペルー1,106人、12.5%、3番目にインドネシア550人、6.2%となり、合計で55か国の外国人が住んでいます。最近では、アジア系の人口が増えてきているということでした。 また、外国人の在留資格及び比率で見てみますと、永住者3,210人、36.2%、定住者2,648人、29.9%で、合計66.1%を占めていました。このように、外国人が増えてきた背景には、平成2年6月の出入国管理及び難民認定法、入管法の改正が行われ、それにより、合法的に雇用ができることで日系人が増えてきた要素だと言われていました。 こうした動きもあり、今から約39年前の昭和61年、大泉町の総人口は、外国人222名を含め3万7,222人でした。その後、平成7年以降の日本人の人口は右肩下がりに減るのですが、一方で、外国人の人口は増加し、町の人口が平成12年には4万2,628人とピークを迎えました。それ以降、今日まで約30年間、日本人は減る一方、外国人の増加で町の人口はおおむねピーク時を維持しており、その分外国人の割合が高くなっています。 そこで、今回の視察の目的は、今日全国的に人口減少に苦しむ自治体が多い中、外国人の増加による人口増とはいえ、人口減少に歯止めをかけている成功事例ではないかと感じたからであります。 では、なぜこれだけ外国人が増えたのかと確認しましたら、町内にあるパナソニックやスバルまたは味の素等の就労者を求める大手企業の存在でした。そこで私の脳裏に浮かんだのが、TSMCと関係が深い菊陽町や大津町で、人口規模も近い大泉町の取組を知ることは大変参考になるのではと考えました。 そこで、これだけ外国人が多いことによる日本人の住民との関係や行政サービスの在り方について及び子供の教育環境や社会保障の状況などをお尋ねしてみました。答えとして、住民との関係は、最初の頃は、当然文化の違いがあり、一部でささいなトラブルもありましたが、今では相互理解が進んでいる、行政サービスについては、多言語対応で日本人と同じサービスを提供し、子供の教育環境は、地元の小中学校に通い、授業も日本語で対応、苦手な児童生徒には支援学級等で対応し、社会保障については、就労し納税の義務を果たしていれば日本人と何ら変わりはない保障をしているとのことでした。 あわせて、いじめなどの問題にも触れましたが、日本人だから外国人だからと特別な差はない、むしろ子供たちは仲よしで、クラスの半分近くが外国人のところもあるが、非常に溶け込んでいるとのことで、子供たちが学校で教わった教育や文化を親に伝える役目を果たし、地域との共生に貢献していると知り、感動しました。 町のスローガンに、秩序ある共生、日本の制度、ルールやマナーを理解して生活してもらう、外国人は、労働者ではなく、共に地域で暮らす住民である、公平、公正な行政サービスを提供、国籍を問わず、お互いを尊重し、協力し合いながら、多様性を認め、誰もが活躍できる町をつくるの最後のパワーポイントの文字がとても印象に残りました。 そこで、木村知事にお尋ねします。 大泉町は、基本的には町の努力で、今日まで外国人との共生について尽力されてきました。そこで、私は、町として県に望むことは何ですかと尋ねましたら、大人も子供も含め、日本語教育の人材派遣に要する交付金と答えが返ってきました。言葉の壁の克服が共生社会の扉を開く鍵と理解しました。 本県の在留外国人の数は、昨年6月末で2万7,407人と過去最高だそうです。そこで、来年度の新規事業として、熊本県多文化共生支援事業を予算化されていますが、少々足りないような気がします。 TSMCの進出で外国人の増加が見込まれる本県としまして、外国人への共生意識はどのように見ておられるのか、また、多文化共生の在り方について、そして、今後の具体的な支援の在り方について、木村知事の考え方をお尋ねいたします。 〔知事木村敬君登壇〕 |