熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
|
4.TSMCに関わる今後の対応について (1)「台湾貿易投資センター」開設に対する受け止めと第3工場誘致に向けての本気度 |
◆(城下広作君) いずれにしましても、専門職の方は、本当に1年1年で、その技術が習得できるわけではございません。育成も時間がかかるし、また、技術のレベルをアップするということになれば時間もかかります。 確かに、民間の力を借りることも、ある意味では必要になるんですけれども、本来は、しっかりと県職員の方が技術をしっかり習得し、そして民間の方に指導していくという形のレベルを持っていく、このことも一方では大事なことだというふうに思います。 また、獣医師に関しても、私もいろんなところで聞きますけれども、高齢の方が長く獣医師をされて、辞めるに辞められないというようなこと、若い人は、どちらかというと、小動物のほうに行って、せっかくそういう専門学校に行っても獣医師は選ばないというような形、これは、我々は、ある意味では食肉といいますか、そういう大型動物の食肉を食するんですけれども、そこの土台となる獣医師がいないと、そのこと自体も危機になってくるということは、しっかりと我々も認識しなければいけないのかなというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 次に、TSMCに関わる今後の対応について、4点ほど上げます。 TSMCに関わる質問を4点ほど取り上げました。短い内容で端的にお聞きしますので、県民が聞いても分かりやすい答弁をお願いいたします。 まず、第1点目ですが、昨年12月末、TSMCの第1工場が本格的な稼働を開始しました。そして、今年は第2工場の建設が本格的に開始することとなっています。まず、第1工場の円滑な稼働で量産できると確信をしています。 そこで、木村知事は、昨年8月25日から3日間、知事就任以来初の台湾を訪問され、TSMCの本社や新竹のサイエンスパークなど視察されました。 特に本社では、経営幹部と面会し、第3工場の誘致について、直接意欲を伝えたと聞いています。しかし、TSMC側からは、第1工場、第2工場の円滑な推進があれば検討するとの発言にとどまったと聞いています。また、TSMCの魏哲家会長は、昨年6月、地元住民の賛同が得られたならば検討するという趣旨の発言をされています。 こうした発言がある中、気になるのが、郭智輝経済部長は、昨年9月、県庁を訪問された際、木村知事に、台湾企業支援拠点は9割くらい熊本だろうと語られたと聞いていましたが、先月2月11日、郭氏は、台湾貿易投資センターを福岡市に開設すると九州戦略会議メンバーに伝えられました。このメンバーには、当然木村知事も入っておられます。これには大変びっくりしました。これについて、木村知事はどのように受け止められているのか、また、第3工場についての本県誘致への本気度をお尋ねします。 第2点目ですが、木村知事は、新竹のサイエンスパークやその周辺も視察されました。ここには、ハイテク企業だけでなく、大学や研究所などが集約されています。私も昨年の経済常任委員会で視察しましたが、広さと企業や研究所などの集約規模に驚きました。 木村知事は、今回、熊本版サイエンスパーク実現への一歩として視察を計画したと言われましたが、今後の具体的な取組が気になります。 そこで、熊本版サイエンスパークの実現、展開に当たっての考え方について木村知事にお尋ねします。 第3点目ですが、TSMCの進出が決まってから、本県では、あらゆる分野の企業から取引を希望する声が上がりました。ただ、相手として、外国企業、国内の大手企業の取引の話は聞こえてくるものの、地元の中小企業にはなかなかお呼びがかからないのが現状でした。 そうした中、昨年11月27日、くまもと産業支援財団主催で、半導体ビジネスの発展を目指した地元企業との協業についてと題して、熊本城ホールで、メンテナンス、部品、洗浄、セキュリティーサービス、人材派遣、廃棄物関連などの説明会が招待制で行われました。 説明会は、JASMの意向で、プレスリリースを行わず非公開で実施されました。招待企業の選定については、JASMが指定した対象業種を基に、くまもと産業支援財団が県内関連企業100社程度のリストを作成、県と財団、JASMの意見交換を経て、企業規模や雇用者数とを勘案し、JASMが当該リスト40社程度を選定されたそうですが、私は、この話を伺ったとき、とても残念な気持ちになりました。100年に1度のビッグチャンスと期待した地元企業が多くいる中、知らないところで決まってしまう、努力のしようがないと嘆き、不満を持つ企業は多いと思います。 そこで、今回の対応について、木村知事はどのような感想を持たれているのか、また、今後追加企業を求める情報はあるのか、あるとすれば、地元企業に対する配慮について、木村知事の考えをお尋ねいたします。 第4点目に、TSMCの進出で、交通渋滞や地下水の問題は大きな関心を集めています。また、それに劣らず、TSMCからの排水問題もとても注目され、使用された化学物質の処理方法や排水先はとても関心を集めています。 そこで、県は、TSMCを含むセミコンテクノパーク周辺の排水を、新たに下水処理施設の整備を進める検討を開始し、その説明会を関係する自治体、菊陽町、合志市、熊本市の3か所で1月26日から28日の3日間で実施しました。 私は、これまでの関心の高さから、相当数の地域住民が説明会に参加されると想像していましたが、私の想像とは大きくかけ離れ、菊陽町では43人、合志市では37名、これには地権者も含まれています。そして、放流先の白川流域の熊本市では17名ということでした。処理水の処理方法や排水先をよく理解しての不参加であれば心配することはないのですが、知らなかった、説明会に意味がないなどの理由によって参加を控えた住民が多ければ、今後が気になります。 そこで、今後下水処理施設の計画を進めるに当たって、住民の理解を求める取組について、今後の対応についてお尋ねします。 以上4点、木村知事にお尋ねをいたします。 〔知事木村敬君登壇〕 |