熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

3.県職員の専門職確保について


◆(城下広作君) 知事部局では、10代から30代の若い職員の方が増加傾向にあるという、大変、ある意味ではなぜだろうかなというふうに思います。公務員と言えば、基本的には、一回合格したら、そのまま定年までというのが我々世代ではそういう印象が大きかったんです。最近は決してそうではない。
 また、教員の退職者も140台、もう140何名ですか、これも大変多いなと。その分誰かが穴埋めをしなきゃいけない。恐らく現場でも相当混乱が生じているのかな、また生じるのかなと思いがいたします。
 また、警察は特に、警察の場合はあんまり辞める方はいないのかというイメージがあったんですけれども、結構な数で、やはり辞められる、もしくは、ベテランになって、もう60を超えて、もう少し働けるんですけれど、もうそれからは完全に終わるというような選択をされるという、生き方はいろいろ考えがありますけれども、いずれにしろ、公務員として非常に県民のある意味では大事な相談といいますか、対応する職員が欠けてくるというのは、知事にとっても、片や教育長にとっても、警察本部長にとっても痛手だと思いますので、しっかり今後対応していただければというふうに思います。
 3番目でございます。
 この県職員の流れで、関連する質問ですけれども、専門職の確保についてということで、これもちょっと厳しい状況がありますから質問させていただきます。
 先ほどの質問に関連として、貴重な人材である県職員の中途退職は、本県の行政執行上、多大な影響を及ぼすことは、誰の目に見ても明らかであります。
 とりわけ、欠員があっては、行政執行上、または県民の安心、安全な暮らしを守ることに重大な影響を与えるおそれのある職種、職場もあると思います。
 例えば、私が最初に思いつくのが、あのコロナ禍においてPCR検査などの迅速な対応が求められていたとき、検査を行う職員の不足により過重労働を強いられた保健所職員を思い浮かべました。また、災害や鳥インフルエンザなどの感染症の発生時には、とりわけ専門職や技術職の方は、特に重要な存在となります。
 そこで、令和5年度時点でのいわゆる専門職と言われる方々の必要人数に対する不足人数を調べましたら、意外ではありましたが、保健師の不足はあまりないようですが、その代わりに、獣医師が、健康福祉部、農政部双方合わせて16名程度定員割れをしています。
 本県は、農業県であり、畜産・酪農県でもあります。最近では、本県の和牛が海外に輸出されるようになり、販路拡大に期待が高まっていますし、また、本県での農業生産高に大きく貢献している分野でもあります。
 獣医師不足の問題は、これまで数多くの議員が取り上げられるなど、本県にとっては大変深刻な問題の一つです。早急な手だてが必要です。
 次に、土木や農業土木の技術者も定員割れを起こしているようです。令和5年度の状況を具体的に見てみますと、土木で8名、農業土木で11名と、合わせて19名になりますが、これは、一見影響がない数字に見られがちですが、技術者総数からしますと、業務の内容も含め、決して影響がない数字とは私は言えないと思います。特に私が心配するのは、いざ災害に見舞われたときに、技術者の存在がその後の復旧に大きな差が生じてしまうおそれがあることです。
 かつての平成28年の熊本地震、令和2年の熊本豪雨災害では、まさに土木技術者の存在が重要な役割を担い、災害復旧に尽力されてきたことは誰もが認めるところであります。
 しかしながら、その復旧に際して、莫大な業務量から、県の技術職員だけでは到底対応できず、その陰で大きな力を発揮したのが、任期付職員だけでなく、測量コンサルタント業への発注者支援業務委託があったわけですが、一般にはあまり知られていないと思います。
 ただ、この業務委託について、これまでの経緯を調べてみましたら、古くは平成5年からの現場技術業務委託から始まり、当初は人員も僅かで、平成28年の熊本地震のときは89名が県に常駐され、令和5年度では121名まで増えてきました。これまで度重なる災害復旧を中心として相当な貢献をされてきましたが、一方で、私は、発注者支援業務委託がこのまま続くことが好ましいかといえば、少々気になる点があります。
 それは、昨今、民間の企業でも技術者の人材難は大きな問題となっています。県に常駐した分、民間企業では、その分人材が不足します。また、県の人件費に当たる負担も同等数以上の職員を雇用できる予算になります。そして、何よりも、本来県職員が担う仕事を手助けしてもらうことから、県職員が技術の習得に携わる機会が薄れ、技術の継承にも影響が出てくるおそれがあるとなると心配します。
 そこで、私は、任期付職員や発注者支援業務委託の依存度を下げ、本来携わるべき県職員の土木技術者を増やすことが最善の取組と考えますが、実現に向けての考えをお尋ねします。
 以上2点、専門職の確保について、木村知事の認識と対応についてお尋ねをいたします。
  〔知事木村敬君登壇〕