熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

5.TSMC進出に係る渋滞対策について

(1)九州自動車道・JR豊肥本線割引の導入
(2)新道路公社設立


◆(城下広作君) ぜひ調査をして、農地を希望する方がいれば、新しい農地を確保するということも大事な視点だと思いますので、よろしくお願いします。
 5点目でございます。
 TSMC進出に係る渋滞対策についてお尋ねをします。
 半導体産業が集積する菊陽町やその周辺自治体は、これまで慢性的な渋滞に悩まされていました。それに、今回のTSMC進出により、渋滞はさらに激しくなり、通勤、農作業、買物など、今までの生活環境が極端に悪化し、困惑されている方が多いと聞きます。
 私も、あえて渋滞が予想される時間帯に、調査を兼ねて車で原水駅に行ってみましたが、道路は渋滞、列車は乗客で満杯、セミコンテクノパーク周辺に向かうシャトルバスも乗客でごった返し状態、まるで東京にいるかのような状況でした。これが毎日となれば、この周辺で暮らす人も通勤等で行き来する人も相当ストレスを抱え、多くの時間が浪費されることが心配されます。
 そこで、県も新たな組織として渋滞解消推進本部を設置し、渋滞解消の柱の政策として、中九州高規格道路早期完成や県道大津植木線の多車線化などの推進に全力で取り組んでいることは承知しています。
 しかし、道路整備は、用地交渉や工事完了までに相当時間を要します。本年12月にはTSMCの操業が開始され、第2工場の準備も進められると思います。さらには、およそ3年後には第2工場の生産も開始されると言われています。果たして道路整備がどこまで進んでいるのでしょうか。満足するような道路整備は厳しいと予測する人が多いのではないでしょうか。
 そこで、私の提案ですが、道路整備は当然強力に推進しながら、もう一方で、ソフト面での対策が必要と考えます。
 その具体的な取組として、1つ目は、高速道路の活用であります。
 熊本市は、平成20年10月に富合町と、その後城南町や植木町と合併し、政令指定都市を目指す中で、熊本都市圏の渋滞緩和や都市内移動の時間短縮課題を抱えていたため、高速道路を活用して熊本市内の交通混雑の緩和を図り、地域拠点間の移動時間短縮や都市内交通の円滑化、公共交通の定時性の向上に寄与する施策を検討するために、高速道路無料化の効果検討のための推計を行いました。
 結論から申し上げますと、植木─松橋間を無料にすることで、1日につき2万2,300台トリップの車両が、一般道から高速道路利用に転換するとの推計が得られました。この推計結果は、これだけの車両が熊本市内で発生する渋滞混雑を回避して高速道路を利用すれば、一般道における渋滞がある程度緩和することを意味しています。
 そこで、この取組をセミコンテクノパーク周辺における道路整備が完成するまでの間、広域的な車の分散につなげる目的で実施すれば、渋滞解消の効果が出るのではないかと思います。
 国も、高速道路の料金を時間帯によって変えるロードプライシングの導入を来年度以降考える方針ですので、高速道路の活用についてはよいタイミングだと思いますが、県の考えをお尋ねします。
 2つ目は、JR豊肥線の活用についてであります。
 現在、セミコンテクノパーク周辺の企業に勤めておられる方を中心に、JR豊肥線を利用する方が増えています。当然、利用者が増えますと、その分車での通勤者が減り、CO2削減にもつながります。
 そこで、JR豊肥本線の利用者をさらに増やすための施策として、JR豊肥本線の原水駅での乗降者に対し、無料もしくは割引の導入をすれば、さらにJR利用者が増え、車の通勤は減ることになります。
 双方の財源については、TSMCの誘致は国策でありますから、国の支援を訴えてもよいのではないかと思いますが、県の認識についてお尋ねします。
 最後に、木村知事は、選挙期間中、渋滞解消問題を含め、熊本県の道路整備に関して、スピード感を持って実行するために、主に熊本都市圏の渋滞緩和策として、(仮称)新・道路公社の設置に触れられました。既存の県道路公社もありますが、木村知事が目指す新・道路公社の役割と今後の予定についての考えをお示しください。
 以上、高速道路の活用やJRの割引等については亀崎副知事に、新・道路公社に関しては木村知事に、それぞれお尋ねをいたします。
  〔副知事亀崎直隆君登壇〕