熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

3.TSMC進出について

(4)空港アクセス鉄道のルート決定について
(5)県道大津植木線の多車線化について
(6)台湾派遣のメンバー構成及び意義について


◆(城下広作君) 今回のTSMCの進出で、やっぱり県民の本当にたくさんの方が雇用に対して大変期待を強く持っておられると思います。これだけのチャンスはなかなかないわけです。また、世界的企業、実力もしっかり伴わないといけないかもしれませんが、立地協定の中で地元雇用をしっかりと県のほうも訴えておられます。そのことが具体的に数字でしっかりと証明されるような、そして結果として、県民のたくさんの若者がこのTSMCで働くようになり、そして熊本の人材としてまた残っていく、この流れをつくることが大変大事ではないかというふうに思います。
 また、台湾の方が、これを契機にたくさん熊本に来られる、そのときに、あまりばらばらに住まれると、なかなか交流もしにくいと、ある程度のところで固まりがあると、ある意味では、その関係自治体も非常に今後のまちづくりにも大きくプラスになるんじゃないかということと、我々も、国際交流ということで機運が高まると。なかなか、一括まとめてどこという形は難しいかもしれませんが、そういう情報で、なるべくその固まりやすいような形でやると、相手に対する配慮にもつながるのではないかというふうに思います。どうかよろしくお願いします。
 続きまして、そのままTSMCの関連の部分で、4項目、5項目、6項目とありますので、質問させていただきます。
 第4点目でございます。
 知事は、昨年11月議会で、TSMCの菊陽町への進出の決定に伴い、長い時間論議を重ね決定した空港アクセス鉄道の三里木ルート案とは別に、TSMCやセミコンテクノパークに最も近い原水ルートや熊本方面からの電化区間終点の肥後大津ルートも加え、再検討すると発表しました。結論は年内までに出していくと言われましたが、突然意表をつく早さで、9月議会の初日、肥後大津ルートの優位性を発表されました。このような決断の速さをほかでも発揮してもらいたいものです。
 そもそも、私は、TSMCと空港アクセス鉄道とは直接的には関係がないと考えていましたので、どのような結論を出せるのか、大変気になっていました。
 そこでお尋ねします。
 もともと空港アクセス計画は、空港と熊本都市圏とを50年後、100年後を見据え、定時性、速達性、大量輸送性を達成するために進めてきたもので、それにTSMCの進出によるアクセス見直し論が加わったものですが、今回のルート案で大変気がかりなことがあります。それは大量輸送の件であります。
 以前より、運動公園でイベントが開催されますと、周辺では大渋滞が発生しました。そのことを解消する手だての一つとして、空港アクセス鉄道の三里木ルートは、大量輸送の柱にもなっていました。また、運動公園から空港に向かう熊本市東部地域やテクノ・リサーチパーク周辺を見据えたUXプロジェクト構想も、空港アクセス鉄道とは密接な関係ではなかったかと思います。この2点の問題の影響についてどのように考えておられるのか、お尋ねをします。
 また、今回の調査概要の公表により、関係自治体や住民に対して失望と歓迎という動揺を与える結果につながると思いますが、このことについての蒲島知事の考えをお尋ねします。
 次に、第5点目の質問ですが、県道大津植木線の多車線化についてお尋ねします。
 これまで、県は、多車線化について大変厳しい反応を示されていました。それにより、沿線自治体の議会での反応も、県の対応になぞらえ、厳しい答弁がなされていたようです。
 しかしながら、7月、突然TSMCに面する区間を中心に多車線化の発表がありました。結果的には必要な判断だと思いますが、この件も空港アクセス鉄道と同様に急な発表でした。
 最近の県の対応は、急な決断が多いと感じます。ただ、この区間を多車線化するのであれば、今でも渋滞をし、TSMCの操業後には、さらに渋滞が予想される御代志駅に通ずる国道387号までを視野に入れた多車線化が必要だと考えますが、今後の計画について、蒲島知事にお尋ねをします。
 最後に、第6点目の質問ですが、台湾との交流訪問についてお伺いします。
 県は、10月16日から19日の日程で、議会関係、経済団体、空港関係者などで台湾を訪問予定でした。しかし、残念ながら、コロナの蔓延で、先方のほうから訪問延期の要請があり、断念されました。
 この訪問について、私に様々な意見が寄せられました。例えば、コロナが収まっていないときに何を考えているのか、誰が参加し、どのような基準で選ぶのか等々、なかなか厳しい問合せもありました。正直、私も説明に戸惑いました。やはり、今県民は、コロナの感染対策に非常に厳しい意見を持たれている方とそうでない方が混在していると感じます。
 また、TSMCの進出に当たり、関係構築に期待をお持ちの方が多いことも分かりました。だからこそ、台湾訪問のメンバー構成と訪問の意義について丁寧な説明が大事だと思いますが、蒲島知事のお考えをお伺いいたします。
  〔知事蒲島郁夫君登壇〕