熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

5.太陽光発電設備の設置に係る条例制定について

 

◆(城下広作君) このGISというのは、本当に、いわゆる情報化を、見えるという形にするには、地図にそのことをいろいろと情報を重ねてみると意外と分かりやすい。例えば、鳥インフルエンザが発生しました、では県下に現在鶏舎はどこにあるのかということを地図で全部一遍に示すと、非常に分かるわけです。基本的には、今エクセルで一覧表になって、この場所、この場所というふうになっていますけれども、地図に全部落とされているかは、ちょっと甚だまだ疑問です。あるか分かりません。
 例えば、それに豚舎なんかも、今度は地図にばっと記しておく、また、牛舎もしておく、そうしますと、必要に応じて、鳥インフルエンザが出た場合には、鶏舎は県にこれだけあると、半径3キロだったらどの鶏舎に影響するというようなことが一発で見える。説明もしやすい。
 例えば、豚コレラが発生した場合には、じゃあ豚舎はどこにあるのかと、そこには誰が、どの経営者なのか、何棟用意してあるのかと、こういうことも地図で全部重ねると一遍に分かるというような管理の仕方を図面でやっておくと、非常に対応がしやすいということがGISの特徴ですので、こういうことを、これはいろんなものに、災害にも使えるし、こういうのにも使えますので――まだ多分ないと思います。これをやるように頑張ったらどうかという提案ですので、ぜひ前向きに考えていただきたいというふうに思います。
 次に、5番目、太陽光発電設備の設置に係る条例の制定についてでございます。
 今、世界の関心事の中に、地球温暖化の問題が加速を増しています。
 先々月の10月31日、英国グラスゴーで開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会議、いわゆるCOP26の首脳級会合に岸田首相が参加されました。
 会議では、脱炭素を最重要課題と位置づけ、新たに23か国が石炭火力の段階的な廃止に賛同し、欧州、アジアなど幅広い地域から46か国が共同声明に合意しました。日本は、国内のエネルギー事情から、賛同を見送ったことは御承知のとおりでございます。
 COP26が開催される前の10月5日、今年のノーベル物理学賞に輝いたのは、地球温暖化防止に道筋をつけたとして評価された日本人の眞鍋淑郎さんでした。
 眞鍋さんは、今ほど温暖化に注目が集まっていなかった頃、CO2の排出増加に伴って温暖化が進むと予測したことが受賞の理由であると言われています。おとといメダルの授与式がなされたと報道があっていました。
 経済維持のために化石燃料に頼らざるを得ない日本にとっては、この受賞に対して、何かしら複雑な気持ちになるのは私一人ではないと思います。
 このように、地球温暖化の意識が国内外でますます高まる中で、政府も、脱炭素社会への移行は急務と捉え、エネルギー政策の中長期的指針、エネルギー基本計画を約3年ぶりに改定しました。
 その中で、電気をつくり出す方法のうち、CO2排出量が多い火力発電の割合を、現在の75%から30年度に41%まで引き下げる目標を設定。代わって太陽光など再生可能エネルギーを、現在の2倍の36~38%まで高め、原子力発電の割合は、従来計画と同じ20~22%に据え置くと決めました。
 こうした背景もあることから、固定価格買取制度、いわゆるFITですけれども、後押しもあり、大規模太陽光発電所、メガソーラーの建設が全国的に広がり、本県でも、既に設置されたところや今後申請がなされるところがあると聞いています。
 私も、再生可能エネルギーの推進は、間違った方向ではないと思いますし、進めるべきと考えます。
 ただし、昨今設置されている場所を拝見しますと、こんな急斜面の山地に設置され、排水処理は大丈夫だろうか、また、このような景観のいい場所にそぐわないと思わせるところをよく見かけます。中には、大雨により、パネルに当たった雨がそのまま地面に流れ込み、斜面崩壊の原因になったところもあるようです。
 このような心配から、菊池市では、既存の太陽光発電施設に対し、断固反対の住民運動も起こっています。ある大学教授は、再エネ関連問題は令和の公害と指摘する方もおられます。
 ただ、現在設置されている太陽光発電施設は、違法設置以外は、基本的には林地開発など設置に必要な手続を踏まえて設置されたもので、行政としてはどうしようもできないと悩まれているようにも伺います。
 このような現状から、今、全国の自治体では、太陽光発電施設等の適正な設置と自然環境との調和を図るため、その設置を規制することを目的とした単独の条例を制定しています。
 本県でも、菊池市が、菊池市太陽光発電設備の適正な設置及び維持管理等に関する条例として、本年9月29日公布、来年4月1日施行されることになっています。
 そこで、今後、県内でも太陽光発電施設の推進が予測されることから、住民に安心感を与える内容を盛り込んだ条例を本県としても制定すべきと考えますが、蒲島知事に条例制定の考えをお伺いいたします。
  〔知事蒲島郁夫君登壇〕