熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

4.GIS(地理情報システム)の推進について

 

◆(城下広作君) このアクセスルートに関しては、またしっかり検討委員会がどう結論を出していくか、見守っていきたいというふうに思います。
 では、次に、4番目の質問に移ります。
 GIS、地理情報システムの推進についてお尋ねをいたします。
 国では、本年9月1日からデジタル庁がスタートしました。私は、本年2月の代表質問で、国のスタートに合わせた本県のデジタル社会に対応する体制づくりについて質問しました。
 それ以降、県の取組として、3月に熊本県情報化推進計画を策定し、8月には、推進計画に基づき、熊本県情報化施策実施計画を策定されたと認識しています。
 また、この実施計画は、推進計画に基づき、県民誰もがICTの恩恵を享受し、安全、安心、便利な暮らしができる超スマート社会くまもとの実現に向け、全庁一丸となって地域や行政のデジタル化の取組を着実に進めるため、令和3年度に知事部局、警察本部、企業局、教育庁の各課別に実施する事業の内容や予算額を提示していますが、結果が出ることを期待します。
 しかしながら、今回、私の提案は、今後デジタル化社会を目指すとなれば、最も便利な活用法の一つとして、GISの活用があると思います。
 GISを簡単に説明しますと、地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータ、空間データを総合的に管理、加工し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術です。
 このようなシステムを、行政が所有しているデータを活用して、もっと利用価値を上げてはどうかということです。
 例えば、土地利用図、都市計画図、ハザードマップや路線網図、地名情報に遺跡地図、また、国土調査等々、挙げれば限りがありませんが、これらをうまく整理し、基準となる基盤地図情報に必要に応じて重ねて使えば、防災対策や社会経済活動でもっと効果を発揮すると思います。
 現在、土地利用図は、図面が紙ベースで提供されています。しかし、これでは、現場との確認を取るためには、詳細な部分が把握できにくく、確認のため役所に出向かなければなりません。
 ここでスクリーンを見ていただきたいと思います。(資料を示す)
 これは、ちょうどTSMCの場面のところでございますが、例えば、これはもともとの平面図の部分があります。そこに、例えば、県下で遺跡図の分の遺跡という部分が緑のところにあります。こうやって、ここに遺跡がありますよと。ブルーのところは、ここは浸水想定図。ここは雨が降ると浸水しますよという図面。これは、全くデータは別です。それを1つの地図に一つ一つ重ねると、1枚の地図でこれがいろいろ分かる。これに地籍図を仮に重ねますと、所有者が分かる、そして地番が分かる、こういう形の考え方でございます。
 また、次に、防災、減災に欠かせないハザードマップも、ほとんどが平面図に色分けされるなどして作成されていますが、例えば、避難所情報やレッドゾーンなどの危険箇所情報をグーグルとかの衛星画像に反映しますと分かりやすくなります。
 今、画面にあります――これは、画面のカラーを見てもらうと分かります。赤は、1,000分の1の人吉地域の想定図です。1,000分の1、1,000年に1度雨が降ったという図、青い部分は、去年の令和2年の実際に浸水した場所でございます。
 こういうので比べてくると、こういう形で分かるというふうになるわけです。私は、これに、例えば、ダムを造った場合、そうすると、どういう形で浸水がこれだけ縮まりますと、こういうことを図面で分からせるような形のやり方、これがGISというわけでございますけれども、全国の市町村では、既にGISへの取組を推進しているところが多く見受けられます。
 また、文部科学省では、来年度の高校の授業において、地理総合は必須科目となり、GISを用いた「現代世界の様々な地理情報について、地図や地理情報システムなどを用いて、その情報を収集し、読み取り、まとめる基礎的・基本的な技能を身に付けること。」として授業を開始するようです。世界を視野に入れますと、GISを活用した視点は今後ますます重要となります。
 本県では、平成20年8月、汎用型GISとして、くまもとGPMapや行政情報インターネット地図公開システムを提供、運用してきました。
 地図公開システムには、県下31市町村が参加し、一時避難所マップや熊本市認定路線図、遺跡地図等提供されていましたが、令和2年度末をもって終了しました。私も使ってみましたが、使いにくく、県民からはあまり利用されていなかったようです。
 あの頃のソフトは、今に比べますと性能が悪く、仕方ない理由もあったと思いますが、今は、無料で性能のよいアプリが出回っており、これらを活用しますと、GISは無限に広がる可能性があります。
 問題は、予算とデータを管理する人材ということですが、国も、平成19年5月に地理空間情報活用推進基本法を制定しています。また、GISに関するモデル事業も、他県では取り組まれています。
 そこで質問です。
 これまでGISの必要性を述べてまいりましたが、本県の熊本県情報化推進計画においても、県民も閲覧できる浸水想定区域図等のデータ整備が掲げられていますが、私は、ぜひこのGISの取組を全庁的に推進していくべきと考えます。
 本県におけるGISの取組についてどのように考えておられるのか、高橋企画振興部長にお尋ねをいたします。
  〔企画振興部長高橋太朗君登壇〕