熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

1.新型コロナウイルス感染症対策について

(1)これまでのコロナ感染症対策に関する総括について
(2)コロナ感染症対策の不安的要素の改善策について

◆(城下広作君) 公明党の城下広作でございます。
 今日、午前中の2人の議員からも、12月8日のことを触れられました。いわゆる80年前の真珠湾攻撃の日でございます。太平洋戦争の開戦の日でもございますが、当時、アメリカと日本の差は、GDPで約10倍、石油備蓄量比で約700倍あったそうです。国力の差は歴然でありました。戦争ほど悲惨なものはないとの教訓を持ち続けたいと思います。
 去る12月3日、南関町の養鶏場で鳥インフルエンザが確認され、県は、早速約6万7,000羽の殺処分を行いました。蒲島知事、また、県職員の機敏な対応に敬意を表します。これ以上感染拡大がないよう県民は期待をしておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 本県は、これまで、地震、洪水、コロナと三重苦に悩まされていましたが、鳥インフルエンザが加わり、四重苦になりかねない状況でございますが、知事のリーダーシップでぜひ乗り越えていただきたいと思います。知事は、くれぐれもお体には気をつけてください。
 それでは、質問に入らせていただきますが、今年最後の議会でありますので、今回、私は、非常に答弁しやすい質問をそろえました。答弁予定者の皆様、明確な答弁をくれぐれもよろしくお願いいたします。
 それでは、第1問でございます。
 これまでのコロナ感染症対策に関する総括について。
 新型コロナウイルスが我が国で初めて確認されてから、およそ2年がたとうとしています。
 国は、当時聞き慣れない緊急事態宣言を発令し、我々国民は、日々感染の恐怖と闘いながら、今日まで、第1波から第5波まで、月日を共にしてきました。この間、国も感染予防対策に積極的に取り組み、本県も国と連携しながら対応してきたと理解しています。
 そこで、本県の取組を具体的に見てみますと、感染者対策では、PCR検査の対象について、国の検査基準の3要件の県独自の弾力的な拡大運用、クラスター対策チームの創設、派遣、自宅療養体制強化のための熊本県療養支援センターの設置を行い、また、感染拡大防止策では、県・市合同専門家会議の設置、運営、県独自のリスクレベル基準の策定、運用、国のまん延防止等重点措置適応前の感染拡大初期に熊本蔓延防止宣言を発令し、医療を守る行動強化期間を設定、さらに市町村のワクチン接種を補完する目的で県民広域接種センターを運営するなど、様々な取組を行ってきました。
 このような取組などもあり、最近、新型コロナウイルスの感染拡大が県下でも落ち着きを見せています。専門家等の意見では、ワクチン接種の進展、人々の行動抑制などの要因が挙げられていますが、明確なことは分かっていないようです。今は、このまま推移することを願うばかりであります。
 そこで、第1点目の質問ですが、確かに県は、先ほど述べましたように、感染者の発生当初からあらゆる手だてを行ってきました。そして、関係職員は、無我夢中で対応してきたと思います。この場を借りて、改めて感謝を申し上げたいと思います。
 今、感染拡大が落ち着きを見せています。私は、このようなときこそ、過去の取組がどうであったか、冷静に見ることができると思います。
 そこで、これまでの第1波から第5波の対応について、感染症対策の陣頭指揮を執ってこられた蒲島知事はどのような総括をされているのか、お尋ねをします。
 次に、コロナ感染症対策の不安的要素の改善策についてお尋ねします。
 今現在は、新型コロナウイルスの感染状況が小康状態にありますが、専門家の意見では、必ず第6波が来ると言われています。現に、世界の新型コロナウイルス感染者は増加傾向にあり、特にヨーロッパ全域で増えているのですが、最近は新たな変異ウイルス株、オミクロン株の動向も気になります。何とかして日本での感染拡大を食い止めなければならず、そのための3回目のワクチン接種や経口薬の開発、抗体カクテル療法などに期待をしているところです。
 そこで、第2点目の質問ですが、これまでの取組の中で特に私が気になった3点について、今後の対応をお尋ねします。
 まずは、ワクチンの管理とキャンセルワクチンの有効利用についてですが、ワクチン管理について、一部で冷蔵庫のコンセントが外れたり、本体そのものが壊れたりと、管理の途中で気づかなかったのか、疑問が残ります。早く気づきますと、大切なワクチンは守れたと思います。
 また、キャンセルワクチンも相当あったと思いますが、どのような対応をされたのか気になります。必ずキャンセルは起こり得ます。無駄をなくすための最善の取組が求められると思います。ワクチンの管理は基本的に市町村ですが、県としての認識をお尋ねします。
 次に、新型コロナウイルスに感染した感染者の対応の在り方についてですが、例えば、保護者が感染した場合、子供を預ける場所に苦慮するなど、必ずしも対応ができたかといえば、そうではなかったと聞きました。
 行政の対応は、まずは親戚等に預ける提案をされると聞いていますが、簡単に預かってもらえるとは限りません。むしろ難しいケースが多いのではないでしょうか。やはり対応を充実すべきと思います。
 また、老老世帯も同じようなことが言えます。片方が万が一感染した場合、どうしても1人にしておけない方もおられます。しかし、経済的な理由や施設の受入れができない場合は、行き場をなくします。
 今2つの例を挙げましたが、感染者を出したことによる自宅に残る家族等への対応をしっかりすべきではないでしょうか。お尋ねをいたします。
 最後に、もし新型コロナウイルスに感染しますと、大まかに言いまして、重症または中等症の方は入院、軽症または無症状の方は原則として宿泊療養となりますが、家庭の事情等により、医師が可能と判断した場合については、自宅療養となります。私は、この自宅療養について、非常に心配でなりません。
 無症状であったとしても、ウイルスには感染しています。同じ屋根の下で家族が暮らしていますと、よほどお城みたいな家に住んでいませんと、お風呂やトイレは大体共有ですし、部屋は別だとしても、移動することは必ず出てきます。こういう状態では、感染のリスクを抑え切れません。また、単身で無症状の方が、ある日突然容体が急変し、死亡したケースも、全国では多く見られています。
 いずれにしても、自宅療養はリスクが大きく、私は、自宅療養を特別な事情がない限りなくし、宿泊療養施設で対応するほうが望ましいと思いますが、県としては、国の対応には反するかもしれませんが、自宅療養ゼロの取組ができないか、早田健康福祉部長にお尋ねをいたします。
  〔知事蒲島郁夫君登壇〕