熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

3.デジタル庁の創設に伴う本県の対応について


◆(城下広作君) 知事は、国土強靱化に対しては強い思いがあるということがよく理解をさせていただきました。ぜひ頑張っていただきたいと思います。田んぼダムの実証、これもしっかりやっていただいて、そして有効であれば、自然をある意味では取り込んだ形の防災、減災という形、また、人吉、球磨の洪水のときには、なかなか電話も通じなかったりと、非常に通信に関する脆弱さがありましたので、今回、戸別受信機の導入促進とありました。こういうのも間違いなく梅雨時期前ぐらいにはしっかりできるようにという計画もなされていますので、頑張っていただきたいというふうに思います。
 ちなみに、防災で先進的なのはどこかなということで、過去に私は静岡県に視察に行ったことがございます。大変、防災に関しては、紙ベースでハザードマップとかでなくて、全て携帯のアプリで見られるような形、避難場所や誘導、そこまでの時間、そしてそこに何が全部ストックされているか、いろんなことを、静岡県はやっぱり東南海の地震ということがあって、そういうことには相当なエキスパートの人がいろんなプログラムを考えていました。
 そういうことも非常に参考にしながら、ぜひ強靱化という角度はいろいろ取り組むことがありますので、ハード、ソフト面、頑張っていただきたいというふうに思います。
 それでは、次の質問に移ります。
 デジタル庁の創設に伴う本県の対応についてであります。
 政府は、昨年の12月25日の閣議で、官民のデジタル革命の司令塔となるデジタル庁を本年9月1日、500人規模で発足させる計画を盛り込んだデジタル社会の実現に向けた改革の基本方針とデジタル・ガバメント実行計画を決定しました。
 改革の基本方針では、我が党の提案を踏まえ、「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会」を目指し「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」と明記されています。
 また、デジタル庁は、首相直轄で、各省庁への勧告権など強力な権限を持ち、国の情報システムに関する予算を一括計上し、各省庁に配分するとしています。また、国や地方自治体の情報システムを統括し、自治体のシステムの標準化、共通化やマイナンバー制度の企画立案などを担い、行政サービスの抜本的な向上を目指し、さらに医療、教育、防災分野や中小企業などにおける民間のデジタル化も支援するとしています。
 また、実行計画では、行政サービスの100%デジタル化、マイナンバーカードの機能のスマートフォンへの搭載、身近なところで相談を受けられるデジタル活用支援員の本格実施などが盛り込まれています。
 今回、コロナ禍では、行政デジタル化の遅れによる疲弊が浮き彫りになりました。1人一律10万円を支給する特別定額給付金では、オンライン申請しても、自治体はプリントアウトした紙で審査したところもあり、その結果、郵送申請よりオンライン申請のほうが遅滞する自治体が続出しました。また、医療機関から保健所への感染者数などの報告がファクスのところもあり、集計に時間がかかるところもありました。
 こうした現状から、政府や自治体の情報システムを抜本的に変え、行政サービスの向上を図ることが急務であり、デジタル庁の使命としているようです。
 私は、デジタルを使いこなしているかと問われると、完全ではないと思っています。しかしながら、このように議会で質問するに当たっても、資料の収集、行政文書の閲覧などは、ほとんど情報通信技術に頼っています。このシステムがなければ、質問の作業に相当な時間を要すると、私の場合はそう感じます。
 一方で、各種申請や手続等でオンライン申請に出くわすことがありますが、時には理解しづらく、ついつい以前の紙ベースでの処理がよかったと思えるときもあります。あくまでもデジタル化については、高齢者も障害者も、また、デジタルを不得意とする方々も諦めることなく使ってもらえる制度設計が重要と私は考えます。
 そこで、蒲島知事にお尋ねをします。
 デジタル化の推進に当たっては、ある専門家の意見では、4つのポイントがあると言われています。まず1番目に、インターネット環境整備、2番目に、スマホなどのデバイスの普及、3番目に、デジタルID、いわゆるマイナンバーの普及、4番目に、デジタルサービスの充実でありますが、今後、本県が、国との連携の下、デジタル化を推進するに当たっては、どのような取組を考えておられるのか、お尋ねします。
 次に、デジタル化を推進するに当たっては、やはりデジタル化に対応できる県職員のレベルアップが欠かせないと思われます。国は、デジタル専門の民間人の登用を考えているようですが、本県は、組織の再編、民間人の積極的な活用、職員のレベルアップについてどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。
  〔知事蒲島郁夫君登壇〕