熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

8.eスポーツの取り組みについて


◆(城下広作君) 長く就労しませんと、どうしても働く意欲が低下し、最終的には、高齢になるまで仕事につかない、結果的に、そのとき親がいない、生活ができない、非常に大きな社会問題になります。早いうちにその対応をとる、大事なことだと思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 時間がありませんので、また早速次の質問に移ります。
 eスポーツの取り組みについて質問をします。
 私もなじみがない問題でありましたので、取り上げさせていただきました。
 ある夜、NHKのテレビ番組を見ていましたら、テレビゲームのようなものに、若者が鋭いまなざしで画面に食らいつき、小指を物すごいスピードで小刻みに動かしていました。
 元来、私は、若いときから、ゲーム機やテレビゲームなどほとんど興味がなく、ほんの少しゲームをやった記憶があるのは、インベーダーゲームぐらいでした。
 そんな私が、派手な舞台、センスのよいTシャツ姿の若者、そして高額な賞金が稼げる大会と、知らない世界があることに目を奪われ、番組を最後まで見入ってしまいました。
 その番組で、初めてeスポーツという言葉を知りました。その後は、何かしらeスポーツの話題を耳にすることや活字を見る機会が不思議と多くなり、eスポーツにかかわる方とも話す機会が生まれました。
 そのような中で知り得た情報では、プロの存在、高額な賞金大会、欧米初め世界の国々で広がりを見せ、特に韓国や中国では競技人口も多く、中でも韓国では、テレビ番組やスポンサーがつくなど、プロ選手はアイドル並みの人気者で、若者のなりたい職業で上位を占めるくらい人気が高いようです。
 また、2022年には、中国・杭州で行われるアジア大会の正式競技に決まっており、IOCでは、五輪競技入りは時期尚早としているものの、eスポーツ関係者との対話は続けるとしています。
 一方、日本でも、ことし9月から開催される茨城国体の開催機運を盛り上げ、魅力ある茨城を全国に発信するなどを目的とした文化プログラムに採用され、本県でも各予選会が実施されました。
 このように、少しずつeスポーツを取り巻く環境が変わっているようですが、先ほど述べたような国々と比べて、我が国は相当おくれているようで、eスポーツに関しては、先進国の中でも最下位クラスと言われているようです。
 私は、もう少しeスポーツのことを詳しく知ろうと、ことし5月6日、京都市にeスポーツ会場をつくられた社長に会いにいきました。そこで伺った話では、開会式には京都市長が出席されたこと、また、社長自身が中学校のとき、ゲーム大会で日本一になったときの喜びを、今の若者にプロスポーツとして自信を持ってやれる環境をつくってあげたいなどの思いを伺いました。さらに、この会場に来る若者には、ルールに基づきゲームをやる、チームプレーが基本のため、コミュニケーション能力を求め、礼儀を重んじ、他人に配慮することを利用者に徹底しているなどの話を伺いました。現に、利用者は、高校生や大学生の部活やサークルメンバーが多く、決められた時間で、マナーをよく守り、利用してくれていると聞きました。
 私は、どちらかといえば、これまで、ゲームに対してはよいイメージを持っていませんでしたが、この一連の話を聞き、思ったのが、今家の中で引きこもり、ひとりでゲームを楽しむ若者が、このような会場を利用するようになれば、社会に出るきっかけをつかむことができるのではないかと考えるようになりました。
 今日、さまざまなゲームが氾濫しています。そして、大人も子供も夢中になる状況があります。この現状に、ある医者は、ゲーム障害になるおそれがあると警鐘を鳴らしています。その心配も十分考えられると思います。
 一方で、この拡散しているゲームを世の中からなくすことは簡単ではないと思います。そうであるならば、ルールやコミュニケーション能力を高める健全な環境下でゲームをやるeスポーツは、人が輝く可能性を持ったスポーツになる気もします。
 今eスポーツは、アジア大会で正式種目をかち取り、オリンピック種目にも検討される勢いですが、総務省も関心を寄せているようです。昨年3月には、eスポーツ産業に関する調査研究報告書をホームページに掲載しています。
 その中の一部に、eスポーツコンテンツを通じた教育プログラムの検討、わかりやすく言いますと、学校の授業の中に組み込むなどの検討や高齢者、障害者向けの生きがい活動への適用検討が資料としてまとめられています。そのほかにも、ビジネスの展開についても調査がなされているようです。
 そこで、お尋ねしますが、本県は、eスポーツについて、どのような認識を持たれているのか、また、eスポーツの今後の支援について、何か考えがあれば、お示しいただきたいと思います。
 以上、企画振興部長にお尋ねをいたします。
 〔企画振興部長山川清徳君登壇〕