熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
7.災害に強い道路整備について

(1)無電柱化に向けた取り組み
(2)空洞調査への認識と今後の取り組み

◆(城下広作君) 八代港の整備については、負担だけではなく、ちゃんと収入を得るものもあるということで、少しはまた安心をいたしたというふうに思います。
 次に、7番目の質問でございます。
 災害に強い道路整備についてであります。
 昨年の地震で大きな被害を受けたものの一つに、私たちの生活になくてはならない道路があります。国道、県道、市町村道、今回の地震で県下の道路は相当痛めつけられました。国道57号阿蘇大橋地区の大規模斜面の崩壊、俵山バイパスにおけるトンネルを初め橋梁の大規模な被害はその代表的なところだと思います。
 災害直後、人命の救出が第一の優先課題であることは、誰もが理解する至極当然のことであります。ところが、それを阻み、目的地にたどり着けない状況をつくるのが、道路の崩落や陥没、また、家屋やブロック、電柱などの道路への散乱、倒壊であります。
 今回の地震で、そうした状況を引き起こした県管理の道路は相当あったと思います。中でも、益城町を通る県道熊本高森線は、全ての悪条件が重なった道路となり、人命の救出に当たり、大きな支障があったと思います。
 そうした中でも、地元の方々は、消防車や救急車が近づくと、機転をきかせ、皆が協力し、通れる道を案内し、人命救出や負傷者の救出に多大な貢献をされたと聞いています。やはり災害時には、共助の精神がいかに大切か、改めて学ばせていただいた気がします。
 そこで、今後、このような状況をできるだけ未然に防ぐ取り組みが必要となりますが、その一つに、無電柱化があると思います。電柱の倒壊は、交通の妨げになるだけではなく、感電のおそれや火災の原因にもつながりかねません。
 ところで、昨年の臨時国会で、我が党が推進してきた無電柱化推進法が成立し施行されました。この法案の背景には、我が国の電柱は、戦後の経済復興の歩みとともに増加し、今や全国で3,500万本を超え、現在でも毎年7万本のペースでふえ続けている状況があります。
 一方で、電柱や電線は災害に弱く、1本が影響を受けると連鎖的に倒壊しやすく、被災者や救急車の通行の妨げになり、また、台風や竜巻が襲来するたびに停電を引き起こしていることから、防災対策の一つとして、今回法律化された経緯があります。さらに、無電柱化は、景観の改善につながるという点も評価されています。
 今回の法案のポイントをまとめてみますと、電柱の規制強化が狙いであり、道路の建設や改修時に、電力会社などの事業者が、既存の電柱、電線を撤去するとともに、新たに設置しないよう求めており、さらに、国のほか、都道府県や市町村に、無電柱化に向けた推進計画の策定を求めています。
 そこで、第1点目の質問ですが、本県の無電柱化に向けた取り組みについてどのように対応されようとしているのか、お尋ねをします。
 次に、もう一つの課題である道路の陥没の未然防止対策についてお尋ねをいたします。
 近年、道路や宅地の陥没について、我が国ではもちろんのこと、世界のニュースでも見聞きすることがあります。ここ最近で記憶に新しい陥没事故としては、やはり福岡市の博多駅前の道路陥没であります。原因としては、地下鉄の工事に伴う陥没でありましたが、大半は上下水道の配管の漏れによるものであり、地層や地下掘削の影響などもあるようですが、いずれにしましても、突然起こることが多く、放っておけば、時には重大な災害をもたらすことが大いに考えられます。
 本県にとりましては、今回、極めて短期間のうちに2度の震度7の地震を経験したことを踏まえ、道路を初めとする宅地などの地盤の詳しい状況をつかむ必要があると思います。特に道路に関しては、埋設物なども多いため、上下水道の漏水による影響や地盤等のずれにより、表面に見えない陥没や空洞が生じた危険な箇所が多数あるのではないかと心配します。
 このような危険箇所をいち早く見つけ出すことが2次災害の防止につながるのですが、現在、こうした箇所を発見する技術が発達し、注目を浴びているようです。
 具体的には、人間の体をCTスキャンするように、道路や橋などを特殊な装置を搭載した車を走らせながら、空洞やコンクリートの劣化を画像で映し出すという技術です。既に全国的に調査が実施され、この技術により空洞を見つけ出し、災害の未然防止につなげたところも多いと聞きます。
 本県では余りなじみがないようですが、他県では、以前から道路の点検調査として空洞調査が行われていると聞いています。今回の地震を受け、空洞などが起こっていることも十分に考えられます。
 そこで、第2点目の質問ですが、県が管理する道路において、こうした技術を用いての空洞調査を行うことが災害の未然防止につながると思いますが、空洞調査への認識と今後の取り組みについてお尋ねします。
 以上2点、手島土木部長にお尋ねをいたします。
  〔土木部長手島健司君登壇〕