熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

4.大空港構想Next Stageと交通アクセスについて

(1)空港ターミナルビルの建て替え等のスケジュール
(2)JR豊肥本線と南阿蘇鉄道の復旧
(3)県道熊本高森線の4車線化
(4)熊本市民病院の建設や市電の延伸による渋滞の影響等

◆(城下広作君) 兵庫県でも副読本は作成しております。隣の島原市でも立派な副読本が作成されて、その都度ある程度改訂をされているというふうな状況でございました。参考にさせていただきましたけれども、しっかりと子供たちがそれを学ぶことによって災害を忘れないという形になりましたので、熊本県でもつくっていただくということでございますから、しっかりといい内容を考えていただければというふうに思います。
次に、4番目の質問でございます。
大空港構想NextStageと交通アクセスについてであります。
熊本空港の国内・国際線ターミナルビルを一体化し、運営に当たっては、民間の知恵と資金を最大限活用できるよう、コンセッション方式を導入すると発表がありました。
現在、ターミナルビルは、地震で壊れた箇所を懸命に修理され、先月26日に完全復活されたようです。しかし、その後の予定が全くよくわかりません。修理されたばかりですぐに壊されるのか、今後の工程がよく見えないと、無駄なことをやっているかのように見えてしまいます。
そうした中、過日の地元紙で、建てかえ時期や仮設ビルの場所、その後の民間への転用などの記事になっていましたが、私がこのことを県に尋ねたところ、国からは正式な予定は示されていないと聞きました。いずれにせよ、今から約2年後の2019年秋にはラグビーワールドカップと女子世界ハンドボール選手権大会が本県で開催されます。また、熊本空港は全国でも利用度が大変高い空港の一つです。よって、この空港の建てかえ時期は相当混乱が予想されます。
そこで、第1点目の質問ですが、今後の空港ターミナルビルの建てかえに向けた工程やコンセッション方式の決定に至るまでの現段階でわかる正式なスケジュールについてお尋ねをします。
次に、空港の利便性が高まることを受け、空港周辺の交通アクセスの重要度も増してきます。特にJRとのアクセスは重要であり、本県の観光推進には絶対欠かせません。それを裏づけるかのようにして、県は、JR九州の協力を得て、あすの3月4日からJR肥後大津駅に阿蘇くまもと空港駅という愛称をつけ、駅名表示板や運賃表にも併記する取り組みをされています。大変よいことだと思います。
そこで、2点目の質問ですが、JR肥後大津駅からJR阿蘇駅までは、現在地震の影響で不通となっているのは御承知のとおりであります。また、第三セクターである南阿蘇鉄道も、中松駅から高森区間を除き、不通となっています。両鉄道の必要性については説明する必要がないと思います。
そこで、お尋ねしますが、まず、JR豊肥本線について、JRから今後の予定について本県に報告や相談があっているのか、お尋ねをします。
次に、南阿蘇鉄道についてでありますが、南阿蘇鉄道の場合、事業主体がJRと余りに違い、復旧を手がけるとしてもそう簡単ではありません。そこで、関係自治体も県に対して再建のための支援を要望されていますが、県としては、どのような支援を考えておられるのか、お尋ねをします。
次に、県道熊本高森線の4車線化についてお尋ねをします。
壊滅的な被害を受けた益城町にとって、県道熊本高森線の復旧は最も重要な取り組みの一つだと思います。その際は、渋滞緩和を改善するためには、ある程度の道路拡幅が必要とも認識しています。ただ、用地の拡幅が伴えば、住民に影響が出ることは必至で、何より住民の理解が得られるかが最も重要だと思いました。
また、私も、今回の4車線化に伴い、大変気になることがありました。それは、熊本市の市電の延伸の問題であります。
昨年、熊本市は、大西市長の公約でもあった市電の延伸を3方面5ルートから2本に絞り込みました。その1つは、辛島町電停から世継橋を経て、南熊本駅に向かうルート、もう一つが、健軍町電停から第二高校、熊本東税務署を経て、県道第二空港線に至る2つのルートです。
熊本市の市電の延伸は、これが最後の決着なのでしょうか。以前から、熊本市と益城町の間では、市電の延伸について相当な論議が交わされたと記憶しています。しかしながら、震災前の県道の状況では、市電を通すために現道の拡幅が相当必要だったことから、予算的に無理があるとして取り組めなかったとも聞いています。
しかし、今回は、地震により県道熊本高森線の4車線化が決まり、今までの環境とは大きく変わりました。私は、もし市電の延伸を県や熊本市や益城町が望むとすれば、今回4車線化を決めたことにより、市電の延伸について協議することは大変よい機会ではないかと思いますが。
そこで、第3点目の質問ですが、県は、昨年12月に熊本都市圏東部地域グランドデザインとして、大空港構想NextStage、熊本都市圏東部地域グランドデザインを打ち出しました。その中に、阿蘇くまもと空港へのアクセス改善として、市内中心部とのアクセスの定時性、速達性の確保に向けたソフト・ハード対策、具体的には、東バイパス交差点の立体化や鉄道軌道の検討等と示してあります。
では、今回の4車線化の提案に伴い、県は、熊本市や益城町と市電の延伸について十分な論議がなされたのでしょうか。今後の都市圏交通のあり方を考えれば協議の場が必要になると思いますが、今後の対応を伺います。
また、今回の4車線化の決定で、仮に市電が延伸した場合とそうでない場合、今回の4車線化の道路構造に対して何かしらの影響は生じるのでしょうか、お尋ねをいたします。
次に、第4点目の質問ですが、今回熊本市が市電の延伸検討ルートの一つとして公表した、健軍町電停から県道第二空港線に至るルートについて大変気になることがあります。このルートの選定は、震災により壊れた従来の熊本市民病院が東町の国家公務員住宅跡地に移転再建されることが大きく影響していると思います。利用者にとっては交通の利便性が高まり、非常によいことと理解します。
しかしながら、一方で、大変心配することもあります。それは、このあたりは第二空港線と交わる場所で、朝夕限らず、慢性的な渋滞箇所でもあります。最近は特にひどく、空港を利用する方々は渋滞に悩まされ、空港行きや高速道路を利用するバス業者も、渋滞が遅延の原因として苦心されているようです。知事も、空港利用の際、渋滞を経験されたことがあると思います。
そこで、県としては、今回の熊本市民病院の建設や市電の延伸による渋滞の影響をどのように予想されているのか、また、渋滞対策について事前に市などと協議されたのか、また、渋滞対策を考えておられるのか、以上4点、蒲島知事にお尋ねをいたします。
〔知事蒲島郁夫君登壇〕