熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
9.災害廃棄物の処理について

(1)倒壊家屋の解体費用を巡る対応
(2)家屋解体に伴う一時保管用の仮倉庫の設置
(3)災害廃棄物のリサイクルと減量化

◆(城下広作君) 政府も力強い御支援をいただいて、観光に対する後方支援というか、たくさん出ております。ぜひ、熊本、やはり観光で元気になった姿で、また全国の皆様にお応えをしていくということで頑張っていただきたいというふうに思います。
特に、阿蘇の道路、これは来ます。そして、草千里なんかも早急に復旧すると、ある意味では世界ジオパークです。被災した姿も一つの阿蘇の魅力に私は逆になると、自然そのもの自体が阿蘇の魅力だというふうに思っておりますので、私は、こういう意味で、知事が逆境の中でという、まさにそのことで観光はどんどんと頑張っていくべきだというふうに思っております。
次に、9番目の質問でございます。
災害廃棄物の処理についてでございます。
今回の震災で、県内の災害廃棄物は、推計で100万トンから130万トンが発生するとも言われています。
ちなみに、東日本大震災で2,000万トン、阪神大震災では1,500万トン、新潟県中越地震では60万トンの災害廃棄物が発生しており、いずれも約3年かけて処理されています。
県は、先月18日、被災した市町村を集めて会議を開き、今後大量に発生する災害廃棄物の処理を進めるため、益城町にある工業団地に破砕や選別などの中間処理を行う仮置き場の設置を決め、現在、運転開始に向けた準備を進めていると聞いています。
被災した市町村にとって、災害廃棄物処理の進捗は、今後の復興に大きな影響を及ぼすことから、安全かつ効率的な処理場の運営を期待しています。
そこで、私は、今回発生した災害廃棄物の処理に関して、気になる点がありますので、質問させていただきます。
まず、第1点目の質問ですが、今回被災された方の悩みの一つに、家屋の解体費用の自己負担があります。
この負担の軽減措置の問題は、我が党所属の国会議員もたびたび国会で質問し、蒲島知事も丸川環境大臣来熊の折にも直接要望されたこともあり、政府は、特別措置として、今回、全壊家屋に追加して、市町村が行う半壊家屋の解体も国の補助対象とした結果、個人の負担が実質ゼロとなる道が開かれました。被災者にとっては、生活再建に向けた大変大事な後押しとなり、歓迎の声をたくさん聞いています。
先月26日には、国が示した基準に基づき、市町村が実施する公費解体工事において発注上の目安となる解体に関する標準単価が県から示されました。これで、市町村では解体業者との契約ができるようになり、損壊した家屋の処理が進むと期待をします。
そこで、お尋ねします。
今回、県が解体費の標準単価を示したことにより、今後、市町村が行う解体工事の費用は、この標準単価を参考として算出されることになりますが、それ以前に解体を済ませ、解体費用の支払いを済ませた方々や、また、今後代金の支払いをされる方々で、市町村が算出する解体費用を上回る場合など、トラブルが生じかねないと思います。
また、そのほか、家の修理等に係る問題について、県ではどのように対応されているのか、お尋ねをします。
次に、第2点目の質問ですが、この質問は被災現場で直接受けた相談内容ですが、恐らく同じ思いをされている方も相当いらっしゃると思いましたので、5月6日、公明党県議団として知事に申し入れをさせていただきました。
相談内容をかいつまんで申しますと、今回の震災で家屋の倒壊被害に遭い、たび重なる余震で自分の家屋にも立ち入ることができない、しかし、せめて解体時には、代々から続く貴重な品物、また、家族の思い出の品や仕事上欠かせない大事なものを取り出したい、しかし、仮に取り出しても品物を一時保管する場所がなく、できれば自宅の敷地や近所にコンテナなどの仮設の倉庫を支援してほしいとの要望でした。
このような相談は、地震被害の特徴であると思います。津波や火災被害では物を取り出すことはなかなかできませんが、地震による被害では家屋から取り出せる可能性があり、大事なものの廃棄も防げます。
そこで、解体に伴う一時保管用の仮倉庫の設置に対して、被災者に寄り添う立場から、県として支援すべきと思いますが、今後の対応をお尋ねします。
次に、3点目の質問ですが、今回、災害廃棄物の処理に当たって、県が仮置き場を設置することになりましたが、災害廃棄物の収集とリサイクルのあり方についてお尋ねします。
まず、収集に関する現場の対応についてですが、大きくは2つの方法に分かれると思います。
例えば、ある住宅を解体する場合、その被災現場において、木材や金属、また、コンクリートや瓦などに分類、仕分けし、それぞれの仮置き場やリサイクル施設に運搬する方法と、もう一つは、とりあえず現場から全てを一斉に運び出し、搬送先の仮置き場で分類、仕分けを行い、次の仮置き場や処分施設に運搬する方法があると思います。
どちらも長所、短所があると思いますが、東日本大震災や阪神大震災の教訓から得られたことは、できるだけ被災現場で分類、仕分けする方法が廃棄物の処理作業やリサイクルの効率化が図られると聞いています。また、コスト面からでも考える必要があると思います。
そこで、今回はどのような対応をされようとしているのか、また、仮置き場から出る災害廃棄物のリサイクルを高める処理方法をどのように考えておられるのか、お尋ねをします。
さらに、今回、県の公共関与で建設された産業廃棄物最終処分場、エコアくまもとに瓦れき類の受け入れを決めましたが、今回の災害の規模からしますと、全壊、半壊の家屋を初め一部損壊の家屋からも相当な量の瓦れき類が発生することが見込まれると思います。
そこで、今回受け入れることで、エコアくまもとの埋立期間の影響等の問題が生じないのか、お尋ねします。
以上3点、県の対応について、田代環境生活部長にお尋ねをいたします。
〔環境生活部長田代裕信君登壇〕