熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
|
2.周辺諸国との友好関係とイスラム圏との今後の連携について
(1)我が国の外交政策への所見 |
◆(城下広作君) 知事の答弁の中に、逆境の中でも生きていけるようにという。やっぱり知事は、そういう形で頑張ってこられたから、知事ならではのその思いだと思いますけれども。 けさの熊日新聞ですかね、天草のことが、ちょうど「宝島の今」ということで、20年後は4割減の人口になるということが載っていました。20年後に4割ですから、もうこれは、すごいやっぱり高齢化、人口減少だというふうに感じます。しっかりと――天草だけではなく、県下には、まさに過疎で苦しむ、過疎で苦しんだ延長は、結果的に自治体の機能も発揮できないという可能性が出てきます。大変大きな問題でございますので、ぜひ、県下全体の厳しいところにもどう手を打っていくか、今後、執行部もしっかりと頑張っていただきたいと思います。 では、次に移りたいと思います。 周辺諸国との友好関係とイスラム圏との今後の連携についてでございます。 本年は、世界の国々を最初に巻き込んだ第1次世界大戦が勃発してから、ちょうど100年の節目に当たります。 あれから100年。その間、再び世界を巻き込んだ第2次世界大戦が勃発し、その中に日本もいたわけですが、我が国は、敗戦を経験し、その後は平和を求めて今日まで歩んできましたが、世界に目を向けてみますと、今現在でも、シリアやウクライナのように紛争が繰り返されるところは少なくありません。 戦争では、とうとい人命や国土の荒廃を招くだけで、本当の勝者は誰もいないとわかっているのですが、この地球上から紛争をなくすことは永遠の課題としか言いようがありません。 今、我が国を取り巻く周辺諸国との関係は決してよくありません。お互いの主張が違っても、過去の大戦のように最悪の事態だけは避けなければなりませんし、まずは対話第一の姿勢を貫くことが、国際社会からの信用をかち取り、その輪が広がれば、おのずと国際社会の目は正しい主張に傾くと確信します。 しかし、今の我が国の外交は、決して国際社会を味方につけているとは言いがたく、逆に国民の大半は今の外交に不安を覚えているのではないでしょうか。一番困るのは、国の外交政策の影響で、地方自治体が努力して友好姉妹都市などとの信頼関係を築き、経済や観光などで交流を深めたものが台なしになることです。ゆえに、地方自治体にとっては、国の外交政策の行方は非常に重要になってまいります。 そこで、蒲島知事にお尋ねします。 あくまでも、外交政策は国の専権事項とわかった上でお尋ねしますが、今の我が国の外交政策については、どのような感想をお持ちでしょうか。また、地方自治体の長として、国の外交政策に求めるものがあるとすれば、お示しいただきたいと思います。 次に、イスラム圏との交流についてお尋ねします。 蒲島知事は、今議会の議案説明要旨の中で「イスラム圏などへの輸出及び国内ムスリム向けの需要拡大により、ハラール先進県を目指してまいります。」と述べられました。私は、大変共感を覚えました。それは、今世界中で4人に1人はイスラム教の信者です。この国の人々を取り込むことができれば、我が県の経済や観光に大きな希望を持てるからであります。 ただ、御承知のとおり、イスラム教は戒律が厳しく、豚、アルコール、また、その成分を利用した食品または加工品を食べてはならないとされています。 このように理解した上で、観光面での受け入れ態勢を整えなければなりませんし、経済の面での輸出品に関しては、相手国のハラール認証をとらなければなりません。 また、イスラム圏の国々の言葉を話せる人材も必要になりますし、そのほかにも対応しなければならないものがたくさんあるかもしれません。 我が県でも、既にイスラム圏からの旅行客を見込んでのホテル内の態勢を整えているところや、球磨地方では、牛肉の輸出で相手国のハラール認証を取りつけているところもあります。 いずれにしましても、国の外国人観光客倍増計画、せんだって熊本の経済2団体が打ち出した10年間の行動計画の県内宿泊1,000万人目標など、イスラム圏の増加がなければ厳しい数字になると思います。 そこでお尋ねしますが、蒲島知事は、ハラール先進県を目指すと力強く述べられましたが、具体的には今後どのようなことに取り組まれようとしているのか、お示しいただきたいと思います。 次に、やはりイスラム圏のことを深く知ることが、今後の交流促進につながると思いますが、その有効な手段として、相手を知るという意味で、イスラム圏内との友好姉妹都市を結ぶということもあると思いますが、他県の状況を見てみますと、東京都がエジプトとインドネシア、京都府がインドネシア、大阪府がアラブ首長国連邦とインドネシア、山形県がインドネシアと姉妹友好提携を結んでいるようです。 我が県にも、インドネシアを筆頭に、バングラデシュ、パキスタン、エジプト、マレーシアと、県内在住の方もいらっしゃいます。今後のイスラム圏の友好拡大の取り組みとして、友好姉妹提携を結ぶ考えはないのか、蒲島知事にお尋ねいたします。 〔知事蒲島郁夫君登壇〕 |