熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
1.政府・与党の経済危機対策について-1

(1)県下における定額給付金の経済効果
(2)経済危機対策の評価と08、09年度予算との相乗効果等

◆(城下広作君) 公明党の城下広作でございます。
午前中に、経済危機対策の話も出ました。私は、今回、この問題を中心にしっかりと、今回の政府・与党の緊急経済対策が私たちの生活に必ず役に立つ、そして経済が上向くというような流れをぜひ実行するために、県の取り組みが重要であるという角度で、ある意味ではたくさんのメニューをここに掲げさせていただきました。私の質問を短目にやりながら答弁は簡潔にやっていただく。私は6回登壇をする予定でございます。答弁者は延べで11人おられますので、とにかく手短にという話をやっておりますので、どうか完璧に終わるまで協力していただきたいと思います。
ですから、早速質問に入りたいと思います。
昨年より我が国を襲った過去最大級の経済危機は、依然厳しいながらも、ここに来て、一部の業種で底打ち感が出始めているようです。現に、内閣府が先月末に発表した5月の地域経済動向によると、九州など7地域が上方修正を2年9カ月ぶりに行ったことで裏づけられます。
自動車や電子部品の生産の落ち込みが緩やかになったなどの要因が挙げられていますが、私は、それに加えて、昨年秋以降、政府が矢継ぎ早に打ち出した2008年度第1次補正予算、2008年度第2次補正予算、そして2009年度本予算、総額75兆円の景気対策が徐々に効き始めたからだと確信しています。
特に、その中でも、春を呼ぶ3点セットと名づけた定額給付金、子育て応援特別手当、高速道路料金の引き下げは、冷え込んだ景気に喚起をもたらしたと思います。
しかし、この定額給付金が予算化される当初は、天下の愚策、選挙目当ての買収など、一部のマスコミや野党から厳しい批判を受けましたが、開始が近づくにつれ、民間の知恵というか、庶民の知恵なのでしょうか、プレミアムつき商品券の発行や旅行商品の企画販売など、全国はもちろん、本県でも大変ユニークな取り組みがあちらこちらで実施され、話題を呼びました。気になるのは、当初批判された方々は、定額給付金をどのようにされたかであります。
この定額給付金、県下全体の総額は約285億円で、県内で最後の支給となる熊本市の総額約102億円の支給が5月中旬に開始されたことから、徐々に消費効果が出てくると思います。
そこで質問ですが、県下における定額給付金の支給による経済効果について、詳細な結果は出しにくいと思いますが、おおよそどのくらいになると試算しているのか、お尋ねをします。
次に、新経済政策と銘打った2009年度補正予算は、5月末に成立しました。国費で15兆4,000億円、事業費では56兆8,000億円という過去最大規模でありますが、今回の対策の柱は、雇用対策のさらなる充実、国民の安心、安全、将来に向けた活力の実現、中小企業、地方への支援であると思います。
具体的な中身で言えば、雇用調整助成金の拡充、緊急人材・就職支援基金開設、子宮頸がん、乳がんの検診に無料クーポン券、子育て応援特別手当の対象を第1子へ拡大、介護職員の給与アップ、月額1万5,000円アップ、環境分野で省エネ家電、エコカー、太陽光発電のエコ3本柱、これはエコポイント制でございます。農地の集積化や林業再生、中小企業資金繰り支援拡充、地域活性化のための公共投資臨時交付金、経済危機対策臨時交付金など46基金が盛り込まれ、このうち地方自治体向けの15の基金、総額2兆円が盛り込まれています。
100年に1度と言われる危機に耐えられる幅のある必要な予算だと思っています。当然財源も、財政投融資特別会計の積立金から3兆円捻出するほか、10兆円の国債発行と明確となっています。
不思議なもので、必要と思われる施策も、見方が変われば、野党の皆様のように、単なるばらまきにしか見えないようです。財源を明確にした対案をもっと早い時期に見せてもらいたかったと思います。
そこで質問ですが、まず、知事は、今回の国の補正予算をどのように評価しているのか、お尋ねします。
次に、今回の予算案は、2008年度第1次、第2次補正予算、2009年度本予算と今回の補正予算がより効率よく連動し、かつ長期的な戦略を持つことで、長引く不況に対処できる予算編成が求められていると思います。そこで、今回の予算案ではどのようにしてその効果を発揮されようとしているのか、お尋ねします。
また、今回、予算が成立した新経済対策で、国がまだ詳細を決定していないことで、この6月議会の予算に計上できない基金がたくさんあります。国は、今後早急に事業の内容を明らかにしてくると思いますが、そうなったとき、県としては一刻も早い対応をとるべきと思いますが、今後の対応のあり方をお尋ねいたします。  以上3点、蒲島知事にお尋ねをいたします。
〔知事蒲島郁夫君登壇〕