熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
2.県立高校再編整備の今後の流れと養護学校の在り方について

(1)今後の県立高校の再編整備
(2)盲・聾・養護学校の校長の任用

◆(城下広作君) オリンピック、福岡でできるか東京になるか、国内の選考で絞られ、そして世界とまた争うわけでございますけれども、私は、その前の東京と争う中で、本当に九州で開催ができたら、いわゆる経済効果というのはかなり期待が持てるんじゃないかと思います。10年後に結果になるわけでございますけれども、2年後に北京オリンピック、そして2010年にはカナダ、そして 2012年がロンドンと、その後のオリンピックになるわけでございます。
ちなみに、ロンドンオリンピックの決定の理由として挙げられたのが、次世代のための五輪ということを徹底してロンドンは訴えられたそうです。10年後ですから、今の人にというよりも、10年先の未来の人方のために今汗をかいて、未来の人に喜んでいただく、このことが功を奏したということでございます。
私たち九州、まさに10年後のことを考えて今取り組んでおいて、10年後の人に感謝されるような形を今頑張っていけば、私は、必ず経済の面でも――仮に決定しますと、経済投資は今から、この2~3年からずっと度を増していくわけでございますので、ぜひとも強いリーダーシップで知事は、各県知事とはまた違って、しっかりと支えていくようなことを要望したいと思います。よろしくお願いしたいと思います。
次に、第2点目でございます。
県立高校再編整備の今後の流れと養護学校のあり方について質問をいたします。
本年3月3日、熊本県県立高等学校教育整備推進協議会、整備協の最終報告が発表されました。
今回の最終報告書は、平成11年12月に出された熊本県県立高等学校教育整備推進協議会、第1期整備協の報告に沿って、県立高校の学級減や学科改編が実施されてきた中、継続的な改革の推進のため、平成17年から平成18年ごろには新しい協議会を発足させ、新しい指針に基づいた改革へとスムーズに移行できるよう希望をするとされていたのですが、2年前倒しをして平成16年11月に取り組み、今回報告書をまとめたということは、社会状況の変化を見据えた結果だと思います。
特に、その中でも大きな要素として影響したのが、予想を上回る少子化の進行や市町村合併に伴う行政単位の減少による生活圏の拡大等の影響が大きかったのではないかと思います。
そこで、最終報告書の具体的な中身を見てみますと、通学区域については、受験機会を居住地にかかわらず県民間で公平に確保するということから、理想的には全県1区が望ましいが、地域の学校の特色化等の条件整備を行いながら、段階的に拡大していくことが現実的には望ましいとしています。
県立高校の適正規模については、教育効果や学校運営の見地から、上限を1学年8学級程度、下限4学級程度と考える、そして、1学年10学級の学校では、漸次9学級まで削減していくことが望ましいとしています。
特色ある学校づくりについては、第1期整備協報告の方向性を踏襲し、各学科の適正配置や新しいタイプの学校の導入、適正配置を進めていくことが望ましいということで、具体的には、総合学科、総合選択制、中高一貫教育等が考えられています。
再編整備については、全日制の課程の場合、1学年4学級程度を適正規模の目安としながらも、中卒者数の動向、地理的条件、交通条件、生徒や地域ニーズ及び当該高の伝統、特色並びに新しいタイプの学校の適正配置等を考慮し、おおむね10 年先を見通して再編整備を進める必要があるとしています。
そして、再編整備を進める過程で、第1期整備協報告に記された分校化または統廃合の基準に該当した場合は、これを適用することが適当と考えるとあります。
具体的に言えば、1学年2学級の学校で、入学者が3年連続して1学級分以下の場合、原則として分校化または統廃合する。1学年1学級の学校で、入学者が3年連続して収容定員の2分の1未満の場合、原則として統廃合を行うということです。
定時制、通信制課程についても、今回同じような視点で見直しがうたってあります。
以上が最終報告書の骨子だと思いますが、特別な事情がない限りは、最終報告を受けてこの秋には再編整備基本計画が策定され、平成19年3月を目途に、まず平成19年から平成21年までの実施計画が策定されると聞いています。
そこで、第1点目は、県立高校再編整備について3つお尋ねをします。
まず1つ目は、恐らく、整備協の最終報告書どおりに再編整備が行われていくのであれば、県下の県立高校のほとんどに何らかの影響が出てくると思います。特に郡部の高校、その中でも特に天草地域や阿蘇地域の高校に関しては、近年の人口減少、とりわけ少子化の影響で、中学卒業者の数が年々低下し、各高校に定員割れが起き、もともと学級も少ないため、大半の高校が分校化または統廃合になってしまいます。
地域の過疎化や学校の統廃合に伴う移動のために生じる経済負担の増加など、その影響を受ける地域や当事者にとってはまさに死活問題であり、見過ごすことのできない重要な問題であると思います。
ちなみに、天草地域の高校は現在9校あり、そのうち4校の授業料全額免除者の割合は20%を超えております。そのほかの学校も20%近い数字で、県平均の倍以上の数字になっていることは、経済的な面でもかなり厳しい現状を物語っていると思います。
ただ、これだけ重要な問題が、該当する地域住民や保護者等にどれだけ正確に伝わっているかとすれば、少々不安が残ります。
確かに、平成17年8月から9月にかけて地域懇談会を、平成18年1月から2月にかけて地域説明会を開催しておりますが、各地域1回ずつ行われたようですが、より多くの住民や関係者への周知の徹底は行われたのでしょうか。また、住民や保護者の意見にはさまざまな角度から要望等があったと思うのですが、最終報告書の中にはどのように反映しているのか、お尋ねをします。
2つ目は、特に天草地域は大合併を行ったばかりで、4月には天草市が合併後初の首長選挙や市議会議員選挙を行ったばかりで、新しい枠組みでのまちづくりのあり方等が今後の重要な施策になり、論議されると予想されます。
そうした中、県立高校再編整備の最終報告書の流れどおりに実施しますと、天草地域の行政や議会関係者は、新しい枠組みでのまちづくりを模索する中、大きな痛手となる問題だけに、戸惑いや反発が予想されると思いますが、どのように考えておられるか、お尋ねをします。
3つ目に、熊本地域も重要な問題があります。
最終報告書では、上限の学級を8学級程度と考えております。これに該当する高校が現在9校あり、とりあえず10学級ある高校を9学級まで漸次減らしていくこととしていますが、最終目標は8学級だと思います。
この実施時期により他の地域の統廃合の時期と密接に関係すると思いますし、私立学校との兼ね合いもあります。今後のより具体的な取り組みについてお尋ねをいたします。
第2点目の質問ですが、整備協の最終報告書には、県立盲学校、聾学校、養護学校は対象外でありましたので、とりあえず心配ないようですが、私は1つ気になる点があります。それは、各学校の校長先生の在任期間が短いという点でございます。
具体的に言いますと、おおよそ2年をサイクルにかわられているようです。中には4年という方もおられますが、問題は、平成15年から1年や2年でかわられるのが目立っており、早くかわらなければならない特別な事情があるのかと気になるところであります。
大変専門性を必要とする学校だけに、校長先生の存在意義は大きく、腰を据えて取り組んでもらいたいとの保護者の要望等もあるやに聞いていますが、いかがでしょうか。
私は、小さいころから、何事も石の上に3年という言葉を耳にしてきました。教育の現場も、恐らく自分自身の力を発揮するには最低3年間は必要ではないかと私は思っています。
しかし、養護学校の平成15年からの平均在任期間は2年という状況にあります。養護学校の場合、在任期間が短い方がいいのでしょうか。それとも、何か問題があってこのような状況になっているのか、お尋ねをします。
また、養護学校などは、大変特別な知識や経験を必要とすると思いますが、養護学校の現状を考えてみれば、校長の身分は、教育出身者に限らず、民間人でも知識もあり経験も豊富であるならば、民間人の登用も考えていいのではないかと思いますが、今後検討する考えはないのか。
以上2点、教育長にお尋ねをいたします。
〔教育長柿塚純男君登壇〕