熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
・出資団体、土地開発公社、住宅供給公社について

(1)万日山の今後の活用
(2)住宅供給公社の分譲地の販売見通し
(3)武蔵ヶ丘東ニュータウンの取り組み状況
(4)住宅供給公社の今後の分譲計画

◆(城下広作君) 合併問題に関してはいろいろ動きがあっておりますけれども、話の中にも出ましたように、余り小さくまとまるというのもいかがなものかと思います。やはりせっかく県でAパターン、Bパターンというような形のくくりも出しておりますし、そのこともしっかり視野に入れていただいて協議をしていただければというふうに思います。  また、先ほどの住民発議の問題でございますけれども、合併の問題で一番影響するのが住民、市民でありますけれども、なかなか情報がよくわからない、合併したら、何がよくなって何が悪いのかというのがわからないということで動けないというのが現状ではないかと思っております。そういう意味で、できる限り我々行政側の方が、そういう情報を発信するということが今からは一番大事なことではないかなというふうに思っております。ぜひともよろしくお願い申し上げます。  次に、出資団体について質問させていただきます。  昨年六月の議会で、土地開発公社の所有する土地が五年以上未利用地になっている、いわゆる塩漬け土地問題に関して質問をさせていただきました。厳しい財政状況の中で、長年そのままにしておけば景観も維持管理費もむだになることと、何よりも購入金額に対しての金利がさらなる財政悪化を招くおそれがあるということで、速やかな対応をお願いしたと思います。  また、十二月の議会においても、土地開発公社や住宅供給公社など主要団体の抱える負債、いわゆる隠れ借金が論議され、具体的な数字まで浮かび上がりました。各団体が、その時々に必要な政策判断をし、実際に運営をやったことは正しかったと認識していると思いますが、結果的に多額の負債をつくってしまったのです。国の施策に便乗したもの、予想以上に景気の低迷が長引いているなどの外的要素があったにしても、最終的に責任をとるのは、税金という形で県民に回ってくるわけです。  いずれの答弁にしても、土地の売却に力を注ぎますとか、出資団体の見直し等も含めて取り組んでまいりますとの内容だったと思いますが、今県に必要なことは結果であり、実行力だということです。  そこで、第一点目の質問ですが、土地開発公社の所有する土地で、やはり気になっている土地が熊本駅裏の万日山であります。いよいよ九州新幹線事業も、駅を含む前後に連続立体交差に向けて動き出し、それに伴って、春日池ノ上線の都市計画道路も本格的に着工の準備が進もうとしているのに、万日山だけはいつまでも今のままで終わるのかなと心配する声が聞かれます。今の季節、白川の河川敷では植木市があっていますが、そこからの眺めはまさにグランドキャニオンを思い起こします。  知事が、新幹線駅の構想で、熊本駅を水と緑があるパークステーション構想づくりを進めたいとの思いを述べられたと聞きました。また、今はどこの新幹線駅も同じで、おり立ったら水があり緑があるような、森の都らしい駅をつくりたいと。しかし、残念ながら今の段階では、おり立ったら道は狭い、山は切り立ち、緑はないと悲しまれるに違いありません。  熊本の陸の玄関をどのようにデザインするか、ひとえに土地開発公社所有の万日山用地の今後の処遇が決め手になると思いますが、今後どのようにされていくのか、お尋ねします。  次に、県住宅供給公社についてお尋ねします。  住宅供給公社のこれまでの実績は、一戸建て住宅、マンション、宅地、賃貸住宅など、五十一団地、四千百四十八戸供給をした実績があります。  一方で、平成十三年一月末までの団地別契約状況数を見ますと、小川駅前ニュータウンを初め宇土入地ニュータウンなどを含め、七地区で販売計画、全体数四百六十二戸数のうち、二百六十九戸数契約済みで、うち百九十三戸数は今のところ未契約であることがわかりました。契約率としてみますと五八・三%の出来高になるわけですが、約四割の未契約地がこのまま売れなければ、また新たな財政悪化の要因にならないか心配になります。  私も、なぜこんなに売れ残っているのか考えてみたところ、この大不況と先行き不透明な景気のせいで影響を受けているのだろうと思いきや、民間業者は、四苦八苦しながら健闘し、完売に近い状況まで追い上げています。公社が特に苦戦している場所を見てみると、西合志町と熊本市境の菊南ひかりヶ丘四三・八%、西合志くぬぎヶ丘三五・八%、合志町の光の森に至っては一七・四%の状況です。  ちなみに、今現在で一番大きい百六十三戸の販売数を持っている宇土入地ニュータウンは百八戸契約され、契約率六六・三%になっているわけです。これらの場所を見ますと、熊本市に近い都市近郊部であることがわかります。そうしますと、当然民間業者も造成をし、より安く、より環境整備や施設の充実に力を入れ、売り込んでくるわけです。  また、民間業者の宣伝力も相当なもので、販売日が近づくと、毎週の金曜、土曜日になると、新聞の中に入る広告紙も、新聞の厚さを超えて、折り曲がらない状態で各家庭に入ってきます。そして、すさまじい枚数で、きょうはどこどこの住宅地でオープン記念の催しがありますと、宣伝合戦の始まりとなるわけです。現地に足を運んでくださったお客様には、契約に関係なくプレゼントが用意され、家族連れで行ってみようかなと思わせるキャッチコピーで人を引きつけます。  現場の近くに行くと、大きなアドバルーン、そして、その下には小旗が数十本ないし数百本並んで、いよいよ会場内は赤白の幕で最大限演出をし、土曜、日曜、祭日にもかかわらず、従業員の方が「いらっしゃいませ」と声をかけ、敷地の特徴や他の敷地よりもすぐれた点をアピールして契約に結びつけます。仮にその日決まらなくても、営業マンがその後自宅に訪問を重ね、契約に成功するという形で、民間の場合は、土地の整備が完成してから完売する時間がいかに短いかが勝負ととらえていますので、社員が一丸となって取り組んでいくという現実です。  そうしますと、住宅供給公社の宣伝やスタッフの方も同じようにやれるかと思えば、それはどうなのでしょうか。恐らくそこまで同じようなレベルで対応することは無理だと思いますが、よい悪いは別として、民間の業者は、そこまでして企業努力をし、相手業者よりも先に売ろうとする。それは、社運にかかわる問題であるし、自分自身の給料にかかわってきます。だから必死になるわけです。こうしたことから、民間と競合する場所での宅地分譲地の販売が厳しいのではないかと考えられます。  そこで、第二点の質問ですが、今現在、先ほど挙げた地域の契約率が五八・九%の状態ですが、最終的には一〇〇%を目指すと思っておられると確信しますが、いつごろまでに達成しようとしているのか、目標とそれに対して具体的な対策があれば教えていただきたいと思います。  次に、なぜここまで、民間業者の販売内容まで入れて説明したかといえば、先ほどの対象地は七地区、販売戸数合計四百六十二戸であります。  私が今から心配しているところは、規模といい場所といい、まさに先ほどの民間業者と競り合いが激しい地域である武蔵ヶ丘東ニュータウン地区でございます。この問題も、平成十一年六月議会で初めて質問をさせていただきました。当時は新駅について設置の進捗状況を確認したわけですが、今は、JR豊肥線も大津駅まで電化になり、スピードもアップし、利用者も大変喜ばれているようです。また、国と県が協力して、渋滞緩和を図る目的で、駅近くのスーパーの駐車場にとめて電車に乗りかえてもらう、いわゆるパーク・アンド・ライドの実験も試みられるなど、沿線住民へのサービスも提供しているようです。  そのような便利な場所として注目を集めているわけですから、沿線にも大型の宅地開発が行われるようになりました。例えば竜田口駅付近では、陣内区画整理組合七百二十戸、推定人口二千百六十人。最近造成工事に着手した上竜田町の二百十九戸、推定人口六百六十人。また、大津町には、JRみずからがつくったJR美咲野千二百戸、推定人口三千六百人。そして、菊陽町の武蔵ヶ丘東ニュータウン公社分千二百二十戸、個人持ち分千百二十戸、推定人口合計七千人が見込まれています。仮に以上の宅地に全部家が建った場合の合計は四千四百七十九世帯、推定人口一万三千四百二十人となります。かなりの人口移動が起こります。  それに追随して、交通渋滞や既存の地域との融合も心配されていますが、武蔵ヶ丘東ニュータウン以外はすべて民間であり、全部売り切って当たり前の覚悟で取り組んでまいります。そうした状況のもとで、一番戸数の多い公社の持ち分が全部完売するのか今から心配しています。JR美咲野も大変苦心しているように見受けられます。竜田町陣内はいよいよ完成が近づいており、今からです。  そこで、質問の三点目として、このまま手をこまねいていればまた新たな負債の種になりかねないこの武蔵ヶ丘東ニュータウンを、今後どのようにPRし、完売に向けて取り組もうとしているのか、何か戦略でもあれば教えていただきたいと思います。  また、昨日まで試験的に行われていたパーク・アンド・ライドが本格的に動き出したとき、新駅でもこのような対応ができるスペースは確保してあるのか。いずれにしても、JRやバスなどの交通機関を大半の方が利用しないと、武蔵ヶ丘東ニュータウンのある地域は、最近は特に渋滞が激しく、苦情ばかり受けるところであります。渋滞対策も考えていただき、完売するように頑張ってもらいたいと思います。  第四点目に、今後人口は減少の一途をたどっていくと思われますが、それに伴って住宅の供給も下降すると言われている中、住宅供給公社は、来年度以降もこうした民間住宅の分譲宅地の計画はあるのか、教えていただきたいと思います。  第一点目の質問を企画開発部長に、第二点目から四点目を土木部長に御答弁をお願いいたします。   〔企画開発部長中江元哉君登壇〕