熊本県議会 本会議で城下広作の会議録

1.熊本地震復興検証について

(1)誰一人取り残さない支援について
(2)県民が慰霊できる場所の設置について
(3)熊本城の早期復興に向けた支援について


◆(城下広作君) 改めまして、皆さん、おはようございます。熊本市第一選挙区・公明党の城下広作でございます。党を代表して質問をさせていただきます。
 この3連休、日本列島は、台風14号により各地で大きな被害に見舞われました。亡くなられた方にお悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われた皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
 また、県下では、8月初旬に、天草・芦北地域を中心に赤潮被害が発生しました。昨今、魚類の価格は低価格傾向にあり、今回の事態は、経営に悪影響を与える出来事で、被害者の救済が求められると思います。
 このように、自然の猛威には逆らえませんが、ロシアのウクライナに対する侵略、戦争は、人間が仕掛けるもの、指導者次第では人の命を奪うことも住まいを破壊することも止められます。世界に戦争を選択しない指導者であふれるよう願いたいものです。
 それでは、早速質問に入らせていただきます。
 まず初めに、1番目でございますが、熊本地震復興検証についてお伺いいたします。
 今月、9月1日は、防災の日でした。この日に制定されたのは、1923年に大被害をもたらした関東大震災に由来するものでありますが、あれから今年で99年の歳月が流れました。
 一方、震度7の地震を2度も経験した熊本地震から今年4月14日、16日で6年目を迎えました。発災当時は、まるで地獄図のような山腹や道路、河川、家屋などの崩壊を目の当たりにして、誰もが復旧の長期化を覚悟したと思います。
 しかし、被災地は、国や自治体の強力な支援、被災者の努力、ボランティアなどの支援もあり、着実に復興の道のりを歩んできました。
 そこで、我々公明党は、被災直後から熊本県復興会議を開催し、復興の進捗を確認しながら、その都度、国や県に必要な要望を行ってまいりました。
 今年4月25日には、第8回の復興会議を開催、6年目の節目に当たり、県民の創造的復興への進捗の実感や思いなど心に焦点を当て、創造的復興を実感できているか、どのように捉えているかを調査することとし、熊本地震創造的復興検証プロジェクトチームを設置、暮らし、命、未来の3つを検証テーマと定め、調査を進めてまいりました。
 調査は、県下全域、20歳から79歳までの男女個人、抽出法は、専門調査会社のインターネット調査モニターにより抽出、調査方法は、インターネットにより調査、約1,000名を超える方から回答を得ました。
 この第1次の調査結果を踏まえ、去る6月1日に、要望、提言を蒲島知事宛てに、当日は、木村副知事にお渡しをしました。
 そこでお尋ねします。
 今回の3つの検証の結果を、暮らし、命、未来というテーマ別で見てみますと、まず、暮らしについては、創造的復興の進捗を最も実感している事柄は、道路や交通機関などの県内インフラ整備が5割でした。一方、地域経済が復興したと実感している人は3割にとどまっており、元に戻せるという希望を持つ人は多いものの、コロナ禍や令和2年7月豪雨の影響もあり、よくなったと実感するまでには至っていないという方が多いようでした。
 そこで、今後の課題としては、暮らしの要である地域経済の復興、誰一人取り残さない経済対策を行うことが大変重要であることが分かりました。
 次に、命については、熊本地震で失われた貴い人命という最も深刻な事柄について、心情的に一定の区切りをつけている人は県民の4割弱であり、約6割の方はいまだ心に爪痕を残していることが分かりました。
 そこで、県は、失われた人命への慰霊の在り方を検討し、永続的に慰霊を行う機会を設け、また、県民が慰霊できる場所を検討することの要望が多くありました。
 次に、未来については、熊本城の復興を願う声は強く、熊本市民だけではなく、県民の多くが熊本城の復興を願っていることが分かりました。熊本城が創造的復興のよりどころとなっており、熊本城の復興する姿を県内外に示すことは、県民にとどまらず、全世界に希望のあかしとなることは間違いないとの声が多くあり、そこで、熊本城の早期復興に向けた県の支援を求めるとの要望が多くありました。
 以上、今回の調査で、現在の県民の思いを少しばかりは知ることができたのではないかと思います。
 そこで、テーマとした暮らし、命、未来のそれぞれの提案、要望を、蒲島知事はどのように受け止めておられるか、お伺いをいたします。
  〔知事蒲島郁夫君登壇〕