熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
5.東海大学農学部の存続について
◆(城下広作君) 私は、土木設計をした経験がございまして、熊本城の石積みは、石積みのあの基礎を支える裏の裏込め材というのが大変貴重な役目を果たしているということをいろいろ学んでおりました。本来、崩れたがいいというわけじゃないんですけれども、あの崩れた形の、いわゆる石を積まれた状況というのは、ある意味では、今そういうことを見れるといいますか、本当に、ある意味では貴重な状況を今見ているような状況だと、これも大事な財産だというふうに思います。観光としても、しっかりまた私は、そのことを逆に言えば今見せていただいているのかなという感じがいたします。
また、県立劇場、やはり一日も早くオープンしていただいて、そして、いろんな方の話があります。熊本で復興のコンサートをやりたい、しかし、場所がない、外でやるとなかなか天候に恵まれない場合もある、だから踏み込めないということがございます。やっぱり屋内の施設というのは大事な施設でございます。早急な対応が望まれると思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
では、次の5点目の質問でございます。
東海大学農学部の存続についてでございます。
今回の震災において、大変残念な被災の一つとして、雄大な阿蘇の地で学び、志を高めて社会に巣立とうとしていた東海大学農学部の学生3名のとうとい命が奪われました。
また、ほかにもお一人は今なお行方不明で、改めて亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、行方不明者の一日も早い発見をお祈り申し上げます。
私は、今回の震災を受けて、東海大学農学部が、本県にとっても深い関係にあることを改めて認識することになりました。
その一つとして、東海大学農学部では、本県と長年農畜産物の共同研究を実施していることが挙げられます。
現在行っている具体的な例を幾つか挙げますと、1つ、あか牛や天草大王などの肉質評価の研究、平成18年から継続です。1つ、肉用鶏天草大王とブロイラーとの行動学比較、平成21年から継続。1つ、肉用牛への飼料用米を含む発酵飼料の適正な給与方法、平成26年から継続だそうです。そのほかにも、さまざまな研究で過去においても共同研究として取り組まれていたようです。
また、もう一つの大きなかかわりとして、この東海大学農学部阿蘇キャンパスは、南阿蘇村河陽地域にあり、1980年の農学部設立からはや36年がたち、地域に根差し現在に至っているということです。
被災に遭うまでは、寮及び民間アパート等を利用する学生はおよそ700名、通学者はおよそ300名程度の状況でした。
当然、こうした環境であれば、この地域では、衣食住の経済活動を初め、地域行事への参加など、多様な面で学生の存在が大きくかかわってきたことは容易に想像がつきます。
今後、農学部の学生の皆様は、暫定的に熊本市内の東海大学のキャンパスで学ばれると聞いています。
学べる環境があったことは大変喜ばしいことですが、やはり今後の地元の経済的復興、活力の創出のため、また、熊本県の農畜産分野での共同研究の大切なパートナーとしての役割を果たすためにも、世界農業遺産を抱える阿蘇地域での研究教育施設としての存在は大変重要な意味合いがあるのではないかと私は考えます。
また、去る5月18日には、南阿蘇村の長野村長が東海大学農学部阿蘇キャンパスの存続に向けた支援などに関する県への緊急要望書を提出されたとも聞いています。
そこで、お尋ねします。
東海大学農学部の阿蘇キャンパス存続について、蒲島知事の御所見をお伺いいたします。
〔知事蒲島郁夫君登壇〕