熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
8.産業及び一般廃棄物処理の問題について

(1)PCB廃棄物の処理
(2)橋梁塗装に含まれるPCBの処理
(3)食用廃油の利活用

◆(城下広作君) ぜひ、高等支援学校、熊本市の本当に厳しい状況、もうこれは大変関係者にとっては大きな問題でございますので、ぜひ真剣に検討して、今回の計画の中で取り組んでいただきたいと思います。
それと、かがやきの森なんですけれども、ことし秋という予定だったのが、どうもやっぱり、いろいろな今回の工事といいますか、材料とか人手不足ということで厳しいような話も聞いております。まだ正式には伺ってはおりませんけれども、いろいろとずれ込むみたいな話もちらほら聞かれますけれども、こういうところにもちょっと影響すると、利用者が結果的には困ってしまうということにもつながりますので、この辺もしっかり考えていきたいなというふうに思います。
だんだんだんだん時間がなくなってきて、ちょっと焦ってまいりましたので、頑張りたいと思います。
次に、8番目の問題でございます。
産業及び一般廃棄物処理の問題についてでございます。
産業及び一般廃棄物に関する処理の問題は、私たちの暮らしに大きくかかわり、生産活動に影響を及ぼす経済的側面、処理のあり方によっては人体に影響を及ぼす環境的側面が常につきまといます。
私が今回取り上げるのは、それぞれ関連性はありませんが、最近3つのことに疑念を持ちましたので、質問させていただきます。
まず最初に、最近余り耳にしなくなったと思いますが、PCB、ポリ塩化ビフェニルの処理についてであります。
PCBといえば、皆様も御承知のとおり、昭和43年に、食用油の製造過程において、熱媒体として使用されたPCBが混入し、健康被害を発生させたカネミ油症事件があります。その後、毒性が社会問題化し、我が国では昭和47年以降製造が行われていません。
そして、平成13年6月、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法が公布されました。この間、約30年間処理施設ができず、ほとんど処理されてきませんでした。
法律では、PCB廃棄物を保管する事業者は、毎年、保管や処分の状況についての届け出を行うことのほか、政令で定める期間内の処分が義務づけられています。法律の施行時には、平成28年7月までと規定されていましたが、その後、期限内での処理完了が難しいということから、平成39年3月までに期限が延長されています。
熊本県においても、平成18年3月、計画期間を平成27年3月までとする熊本県ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計画を策定しています。
PCBは、絶縁性、不燃性などの特性により、トランス、コンデンサといった電気機器を初め、幅広い用途に使われてきましたが、平成25年3月末現在では、高濃度のPCB廃棄物のうち、高圧トランスでは登録台数の約26%、高圧コンデンサでは登録台数の約27%、安定器は登録重量の約37%が処理できていない状況でした。
そこで、県では、平成25年12月から平成26年1月――この1月ですけれども、最後の処理期間と位置づけ、事業者に対して呼びかけるチラシを作成されたり、新聞にも同じような内容で掲載されるなど、さまざまな取り組みを実施し、全量処分を目指してきましたが、取り組みの成果はどうだったのか、お尋ねします。
また、こうした状況の中で、県内の高濃度のPCB廃棄物である高圧トランス、高圧コンデンサ、安定器は問題なく処理できるのでしょうか。さらに、県下には低濃度のPCB廃棄物も多量に確認されていますが、毒性や危険性は何ら高濃度PCB廃棄物と変わりません。この処理は、高濃度PCB廃棄物と違い、数量が多いのですが、問題なく処理できるのでしょうか、谷﨑環境生活部長にお尋ねをします。
次に、PCBは、トランスやコンデンサだけでなく、幅広い用途に使われていると言われています。私は、鋼道路橋――鉄の橋です。などの鋼構造物にPCBが含有した塗料で塗装されたと聞きました。国土交通省は、過去にPCB含有橋梁の点検を指示しましたが、当時は、PCB含有廃棄物の処理の見通しがなかったため、本省の意向が浸透しなかったと聞いています。
橋梁の塗装は10数年ごとに塗りかえると聞きます。そのとき、前塗装を剥離して塗装する場合と、ある程度の剥離で残ったまま塗装の上に塗り直すケースもあると聞きました。
そこで、PCBの製造は、昭和47年以降は製造していませんが、それ以前に塗装された橋の中には、PCB含有の塗料で塗装された可能性もあります。また、それ以後でも在庫の関係や製造過程でPCBが含有された塗料が出回った可能性は否定できないようです。
そうなれば、基本的には、明確な塗装記録がある鋼道路橋以外は、塗装工事をする事前にPCB検査を行う必要があると思いますが、県下に塗装を必要とする鋼道路橋は幾つ存在するのか、また、今後、鋼道路橋の塗装を実施する場合は、事前に含有検査を実施する考えはあるのか、船原土木部長にお尋ねをします。
次に、3点目の質問ですが、一般廃棄物の食用廃油の利活用についてお尋ねします。
この食用廃油は、高度な処理技術を用いると、軽油などとまぜて有効利用ができると聞いています。既に熊本市や天草市、宇城市など、ごみ収集のパッカー車やJRの観光列車等に利用されていると聞きます。資源のない我が国で、わずかな量であっても処理を加え、また燃料として再利用する取り組み、コスト面も考えなければなりませんが、重要な取り組みであることは間違いありません。
最近、精製された食用廃油を、B5燃料としてスタンドでも販売し始めたと聞きます。また、京都市では、かなりの実績もあると伺っています。
食用廃油の利活用は、基本的には市町村の取り組みですが、県としても、新産業エネルギーの新たな資源として、例えば建設重機の燃料などの利活用にするとか、サポートできる方法があると思いますが、今後の推進について、谷﨑環境生活部長にお尋ねをいたします。
〔環境生活部長谷﨑淳一君登壇〕