熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
9.住宅リフォームの支援について

(1)ストック活用型住宅セーフティネット整備推進事業の実績状況
(2)居住支援協議会の設置
(3)住宅リフォーム制度の導入
(4)県営住宅のリフォーム(いわゆる模様替え)

◆(城下広作君) 自転車の罰則が重いということだけを知っていただく意味で、今ある程度の項目をこちらの方から発表させていただきました。私も、自転車に乗ることは余りないんですけれども、気をつけたいなという思いと、自転車が本当に――仮に加害者になったときは、大変な保険といいますか、賠償請求に苦しんでおられる方がいるということは、これは教訓にしていかなきゃいけないなというふうに思っています。
最後の質問でございます。
住宅リフォームの支援についてでございます。
長引く不況や高齢化の進展に伴い、住宅の確保に困る非正規労働者や年金生活者などがふえています。
総務省統計局の労働力調査によれば、非正規労働者は、02年から08年までの6年間で約302万人増加し、09年の完全失業率の平均では5.1%となっています。また、国税庁の民間給与実態調査によれば、民間企業に勤める年収200万以下の人は、06年以降、4年連続で1,000万人を超えています。そして、厚生労働省のまとめでは、昨年6月に生活保護を受けた人が、1955年以来55年ぶりに190万人を突破し、世帯数としては137万7,930世帯で、過去最多を更新しました。
このような社会状況から、家賃が払えないなどの理由で住宅を失い、インターネットカフェで寝泊まりする、いわゆるネットカフェ難民が急増し、社会問題になったのは承知のとおりであり、不安定な雇用形態や低賃金は、住まいの安心、確保を脅かしているようです。
一方で、賃貸住宅に住む人などが、今後、定年を迎え、年金生活を送るようになれば、同じ家に住み続けるとは限らないと心配する声も上がっていました。
こうした背景を受けてか、全国的に公営住宅への申し込みが増え続けているようですが、03年以降、全国の公営住宅の戸数は横ばいであり、需要と供給のバランスが大きく崩れているようです。
本県の県営住宅でも、09年の申し込み件数が2,173件で、そのうち入居できた世帯数は347件であり、入居率にして約16%、入居希望者にとっては厳しい状況にあるようです。今後も、公営住宅の入居を希望する傾向は変わらないと思いますが、需要を満たすだけの戸数の増加は当分望めないと思います。
そこで、このような現状を少しでも緩和していこうということで、我が党が提唱してきたのが空き家の有効活用であります。民間や公共住宅の空き家をリフォームして、非正規労働者や年金生活者、子育て世帯、新婚世帯などの住宅困窮者に低家賃で提供するセーフティーネット住宅を、10年間で100万戸整備すると訴えてきたのですが、政府もやっとそれを聞き入れ、昨年12月の補正予算で盛り込まれたのが、ストック活用型住宅セーフティーネット整備推進事業であります。
この事業は、空き家のある賃貸住宅のリフォームに要する費用の一部を国が直接事業者に助成する事業で、補助対象となる工事は、耐震改修、バリアフリー改修、省エネルギー改修工事のいずれかを含む工事で、改修工事費の3分の1で空き家1戸当たり最大100万円の補助があります。
今回、国は100億円を予算化していますが、申し込み期間が昨年の12月1日から本年3月31日までであり、余り時間がありません。
県内の住宅着工は、平成16年、1万2,897戸、平成21年、9,426戸と、ここ5年間で約3割減少し、県民生活を支える建築業や地域の産業が危機的状況にある中、今回の住宅セーフティーネット整備推進事業は、小工務店など地場企業の活性化に速やかに波及すると考えられます。
そこで、質問の第1点目ですが、本県において、ストック活用型住宅セーフティーネット整備推進事業の周知徹底は十分なのでしょうか。また、現在までの実績はどのような状況にあるのか、お尋ねをします。
質問の第2点目ですが、この事業が徹底され、効果を生み出すためにかぎを握るとされるのが、自治体や賃貸住宅の管理者などで構成する居住支援協議会の存在です。
同協議会は、07年、住宅セーフティーネット法で規定され、子育て世帯や高齢化世帯などが民間賃貸住宅に円滑に入居できるよう、情報提供を初めとする支援を行う組織です。
しかし、法整備がなされてから3年以上経過しているにもかかわらず、昨年11月現在、全国でわずか3カ所、来年度以降設置予定を入れても13カ所程度しかありません。本県として、この居住支援協議会の設置の対応をどのように考えているか、お尋ねします。
次に、第3点目の質問ですが、秋田県では、独自で、持ち家を対象とした秋田県住宅リフォーム緊急支援事業として、地元建設業が施工するリフォーム工事について、費用の10%を最大20万円まで補助を行っており、余り制約がなく、だれでも利用しやすいため、地元で大きな反響を呼んでいると聞いています。
本県においても、全く同じようにとは言いませんが、県内企業の指定はもとより、県産材を使用する条件とか、悪質リフォーム業者排除のため、リフォーム瑕疵担保保険への加入を条件にするとかして取り組むと、すそ野の広い建設産業の活性化につながると思いますが、本県独自のリフォーム制度の導入の考えはないのか、お尋ねをします。
第4点目の質問ですが、県営住宅のリフォーム、いわゆる模様がえについてお尋ねします。
県営住宅に住むある高齢者から相談を受けました。内容は、最近、足腰が急に衰え、備えつけの丈の高い浴槽に入ることができない、また、足が曲がらないため、やっとの思いで入っても、肩までつかることができない、介護保険の住宅改造資金を利用して、浴槽を長目で浅いタイプに変えたいとのことでした。
自分自身、はっとしました。若い世代の我々は、なかなか気づかない点であります。その高齢者は、出入りのヘルパーさんに早速相談しましたら、県営住宅では浴槽の改修工事は多分できないですよと言われていたそうでございます。
私が思うに、こういう県営住宅でも、高齢者の浴槽の厳しい状況、このことをしっかり――改装しても何ら問題がないというふうに変えるべきではないかと思います。公営住宅法の縛りがありますけれども、高齢者のいわゆるバリアフリー化に対して、後で入居される方が喜ばれるのであれば、原状回復をしなくてもよい対応をしていただきたいと思いますが、以上4点、土木部長にお尋ねをいたします。
◆(城下広作君) 最後はやっぱり駆け足になってしまいました。
これですべて予定した質問が終わりました。本当に御清聴ありがとうございました。(拍手)