熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
2.新幹線開業に向けたイベントについて

(1)新幹線開業日のイベント
(2)県民総参加の取り組み
(3)各種大型イベントの計画
(4)高校生郷土芸能甲子園の開催(要望)

◆(城下広作君) 県内景気は、総じて言えば、私は大変厳しいというふうに認識をしております。また、先ほどの中小企業の借り入れ状況に関しましても、やはりそれだけ申し込みが多いということは、大変資金繰りに苦労している、ただ、ここ数年から、ずっと何回か資金繰りをすると、いよいよそのことが難しくなってきている、そういう中で、唯一の返済猶予というのは大変期待をするところでございますので、この期間が仮に5年で1年間猶予されても、残りをローンで払うということは大変負担になりますので、さらに1年猶予していただければ、企業としては大変助かるということを十分踏まえて考慮していただきたいというふうに思います。
では、もう時間がありませんから、次にまた入りたいと思います。
次は、新幹線開業に向けたイベントについてでございます。
8月31日午前10時半ごろ、全線開業を見据えた試行運転として、新大阪直行の新幹線N700系、通称「さくら」がゆっくりと熊本駅に乗り入れする様子をテレビや新聞で拝見しました。待ちに待った新幹線だけに、試行運転とはいえ、その光景は全線開業時の興奮を先取りするかのように思えたのは私一人ではなかったと思います。今後は、全線開業に向けて、安全運転確保のための整備、点検が予定どおり行われることを、県民の一人として見守っていきたいと思います。
それと同時に、長い年月と多額の予算等がつぎ込まれ今日を迎えることができたことから、この開業が、国民の利益はもとより、本県としてはまたとない県浮揚の起爆剤となり、新駅設置がかなう熊本、玉名両市を初め県下各地の自治体が、新幹線開業効果が享受できるような取り組みが強く求められていると思います。それを実現するには、今後ますます県と市町村の連携が必要になってくると思います。
そこで、第1点目の質問ですが、新幹線開業日も、今月15日のJR九州とJR西日本の発表で、正式に3月12日と決定しました。私は、この開業日の決定について、今回の質問の関連から、9月の初旬ごろ、正式な開業日程を知りたいと尋ねましたら、県は一切わかりませんという返事でした。私は、新幹線開業という一大事業の日程すら半年前にわからないという返事にびっくりしました。この時点で正確な日程がわからなければ、イベントなどの計画や準備をされる職員の士気が上がらないのではないかと思いました。
また、新幹線の車両についても、「さくら」「つばめ」のほかに、新大阪までの最速車両「みずほ」の計画を尋ねても、正式には12月ごろにならないとわからないという返事でした。3本の運行は県内の停車駅の関係に影響します。これが全線開業を迎えようとする県の情報収集の現状だろうかと思いました。
この間、西郷さんのパネル騒動がありました。これも、熊本駅に設置予定のカウントダウンボードの存在や設置日程も前日まで知らなかったということですが、JRとの連携はどのようになっているのか、お尋ねをします。
次に、3月12日の熊本駅での開業式は必ず行われると思いますが、ダイヤが決まらないので、1番列車が何時にどのような形で新幹線開業式が行われるのかわからないと言われていますが、こんなケースが起こることもあるのでしょうか。5つを考えてみました。
まず、1つのパターンでございます。九州内を走る「つばめ」が、鹿児島中央駅から鹿児島県民を満車の状態で、熊本駅でわずか2~3分とまり、ほとんどの乗客が博多駅に向かい、開業日に第1回ストロー現象が起こる。
第2のパターンでございます。新大阪まで行く「さくら」もしくは「みずほ」が、鹿児島中央駅からこれも満車状態で、熊本駅は一時停車するだけで、福岡、新大阪を目指していく。
次、3のパターンです。「つばめ」が博多駅で華々しく開業オープン式を終え、大勢の福岡県民が博多駅の西郷さんに見送られ、鹿児島中央駅の西郷さんの待つ終点鹿児島中央駅に向かい走り、熊本駅は一時停車するだけ。
4のパターンです。「さくら」もしくは「みずほ」が、新大阪駅で華々しく開業オープン式典を終え、終点鹿児島中央駅に向かい、熊本駅は一時停車するだけ。
最後に、私が最高と思う5のパターンでございます。富合町の整備場からN700系「さくら」がゆっくりと熊本駅に入り、県民の皆様が多数乗車し、駅では蒲島知事と県民が盛大に全線開業を祝う式典を行うことであります。
このように想定をしてみましたが、これもすべてJRが決めるので、県は口が出せないというのでしょうか。ここに至るまで、本県は、多額の予算や多くの県民の方々の協力をいただきました。福岡県や鹿児島県は1度開業記念を経験しています。今回だけは熊本県が経験する番です。知事の戦いでぜひ5のパターンをかち取っていただきたいと思いますが、蒲島知事の決意をお伺いします。
第2点目の質問ですが、やはり新幹線開業イベントが県下で計画されても、来熊者を迎える県民が盛り上がりに欠け、おもてなしの心がなければ、仮に1度は訪れても、印象が悪ければリピーターとしての期待は望めません。
景気、経済が混沌とする中、観光やビジネス客拡大の期待が寄せられる新幹線開業は、まさに千載一遇のビッグチャンスであります。まずは、来熊していただいた方々に好印象を持っていただくためには、県下どこへ行ってももてなしの心が伝わる県民の協力が必要と思うが、具体的な県民総参加の取り組みはあるのか、お尋ねをします。
第3点目の質問ですが、来年秋にはねんりんピックの開催が決定をしています。また、本年2月の地元テレビ局KABフォーラムで、日中韓首脳会議の本県開催が話題になりました。県議会では、6月議会で開催を強く要望する意見書を国に提出しました。
このように国内外の大型イベントが本県で行われることが、新幹線開業元年のイベントとしては効果があり、大勢の来熊者を見込めると思います。
そこで、日中韓首脳会議の開催のめどはどうなのでしょうか。来年度に向けた大型イベントの誘致活動に、本県は積極的に取り組んできたのでしょうか。その取り組みの成果はあるのか、お尋ねをします。
次は要望でございますが、今、高校生を対象とした各分野の甲子園と名のつく大会が注目を集めています。例えば、まんが甲子園、俳句甲子園、かるた甲子園、ロボット甲子園等、挙げれば切りがないぐらいで、結構盛り上がっているようです。本県の高校生も、俳句を初めいろいろな分野で活躍していることは大変喜ばしく思います。残念ながら、各大会は他県で行われているものばかりであります。
そこで提案ですが、本県は郷土文化・芸能分野で全国的に名が知られています。具体的に挙げますと、牛深高校や苓明高校に見られる牛深ハイヤ、鹿本商工や城北高校に見られる山鹿灯籠、和太鼓では秀岳館高校等、全国大会でも常にトップクラスに名を連ねる常連校ばかりであります。新幹線開業に合わせ、郷土芸能甲子園と銘打ったイベントが開催されることを要望しておきます。
以上、知事に3点お尋ねをいたします。
〔知事蒲島郁夫君登壇〕