熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
3.新熊本合同庁舎の整備について
◆(城下広作君) ここにきてダム撤去の問題、いろいろとお互い言い分があると思います。それがずるずると泥沼の状態になると、結果的に県民にしわ寄せが来るというふうに思います。そこで、きのう知事が提案されました、いわゆる協議会、では、この協議会でしっかりとお互いにその立場を主張しながら――方向性はダム撤去ということで同じなわけですから、これをいかにスムーズにお互い協議していくか、このことに今後は私はシフトしていくことが懸命な選択ではないかと思います。
きのう、平野議員からも話がありました。ダム撤去は、まだ明確に、どういう工法で、どういう形――具体的には撤去をしていく。そして、こういう撤去の仕方をすれば、どのような形で、もしかしたら災害が起こるかもしれない、環境にも影響するかわからない、まだ的確な結論は出ておりません。
そこで、いろんな方の御意見をいただこうと、例えば国際的に権威のある方からいただこうという話もありました。それを実現するのであれば、結果的に2年は、極端に言うと足らないかもしれないと。知事は、恐らくその2年というものを、ただ黙ってダムの利水を有効に使わない手はないと、1円でも稼げれば、その分県民の負担は少なくて済むんだという気持ちでおられると思います。私は、そのことは、ある意味では決しておかしいことではない、正しいことだというふうにも理解します。ある意味では、そういう形で価値的にあるものに対して、1円でも稼ぎながら、そして、その間にどういう形で撤去することがすべての方に影響が少ないのかということはやるということで頑張っていただければと思います。(発言する者あり)
そういういろんな意見も、その協議会の中で話をすればいいことであって、それを協議会の中で堂々と話をしていく、そしてお互いが一番いい方向を見つけていく、これに対して私たち公明党は尽力をすべきだというふうに考えておりますので、ぜひ御理解をしていただきたいと思うし、ぜひ、この協議会の設置、早い時期にいろんなメンバーもしっかりと検討していただいて、全力で取り組んでいただきたいことをさらに要望をしておきたいというふうに思います。
大変いろいろと意見がございますけれども、3番の質問に移らさせていただきます。
新熊本合同庁舎の整備についてでございます。
県政の重要課題に、水俣病問題、川辺川ダム問題、荒瀬ダム撤去問題等、他県では抱え込まないような案件が山積しています。当然、財政問題は、そのすべての案件にのしかかる最重要課題であることは言うまでもありません。
ただ、私は、将来の熊本県の発展という視点からとらえた場合、絶対欠かせない問題に新熊本合同庁舎の熊本駅周辺への移転があると思います。
かつては、国の出先機関が、九州の中では我が熊本県に集中していました。まさに行政府の町熊本県として、九州に知れ渡り、光り輝いていました。恐らく国の出先機関が今日まで維持できていれば、この後質問項目に上げている道州制の導入に伴う州都の候補地として最も有利に動く条件であることは、火を見るより明らかだと思います。
しかし、逆に、今後さらに国の出先機関が次から次へと熊本から撤退してしまえば、県はもちろんのこと、出先機関が集中する熊本市の活力は、おのずと影を落としてしまうことになります。県としては、これ以上撤退することに歯どめをかけなければなりません。
そこで、本県では、九州新幹線全線開業にあわせ、活力あるまちづくりの核となる施設が必要なことから、誘致に向け取り組んできたのが新熊本合同庁舎整備事業であり、国の出先機関の維持であったわけです。
しかしながら、昨年、政権交代がなされ、今の政府は、一方で地方主権と言いながら、行政のスリム化の名のもとに国の出先機関の廃止を訴え、実行しています。その影響をもろに受けようとしているのが新熊本合同庁舎のB棟であります。
現在、約半分の規模であるA棟の完成は間近であり、入居予定は間違いないと思いますが、B棟に関して、政府は22年度予算案に計上しませんでした。B棟の入居予定は、熊本県民が長く利用し親しみのある熊本国税局、熊本西税務署が入る予定です。
本県としては、国の方針をこのまま受け入れてよいのでしょうか。むだなものを省くとの考えに理解を示さないわけではありませんが、熊本県の活力の源が次々に欠けていくことになり、駅周辺にとどまらず、県全体の発展に影響を受けます。
そこでお尋ねしますが、今後も粘り強く国に申し入れを行うなど、B棟建設に向け積極的に働きかけるべきと考えますが、知事の御所見を伺います。
次に、B棟の件も非常に大事なのですが、やはりA棟の件についても不安を解消しておきたいと思います。
これは、きょうの新聞でございましたけれども、私がこうやって質問をするけれども、天の声があったのかよくわかりませんけれども、答えが出ておりまして、不可解なことだなというふうに思っております。
昨年は、一時内装工事が中止され、不安がよぎったわけですが、現在は年度内完成を目指し整備が進められているとのことで、ひとまず安心をしておりました。
そこで、本題に入りますが、このA棟には、入居官署として、九州総合通信局約 150名、九州財務局約200名、熊本労働局約100名、九州農政局約600名、熊本営繕事務所約10名、熊本地方気象台約30名、以上6機関、総数 1,090名が予定されています。
九州新幹線開業をあと1年後に控え、周辺では商業施設等の整備も着々と進んでいくと思いますが、万が一入居官署に大きな変化があれば、B棟の建設問題とは別の次元で駅周辺の事業に多大な影響を受けることは確実となり、新幹線開業に伴う県の発展に水を差すことになりかねません。
そこで、2点目のお尋ねですが、この6つの機関の入居者は絶対間違いないのか、そして入居時期はいつになるのか、地域振興部長に――新聞で知りましたけれども、部長から明確にこの議場ではっきりお聞きさせていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
〔知事蒲島郁夫君登壇〕