熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
4.観光振興について

(1)県物産館の移転及び今後の戦略
(2)坪井川の利活用
(3)観光立県推進条例の制定

◆(城下広作君) 消費生活センターは、ある意味ではいわゆる連携強化、この相談があった場合にこの課はどこに当たる、やっぱり近くにいろんな課がまとまってあった方がすぐ対応できる、だから県庁内にということで、前向きに検討していくと、間違いなく県庁に私は移設されるだろうという確信を持ちたいというふうに思っております。
時間がないので、また次に行きたいと思います。
4番でございます。観光振興について質問させていただきます。
観光対策は、本県にとって大変重要な施策という認識から、私自身、本会議においてもたびたび取り上げてきました。蒲島知事も、マニフェストにおいて、記憶に残る観光地くまもとの観光戦略の構築を力強く訴えられました。
早速、知事は、その期待どおり、知事就任直後から動かれ、特に、平成23年の全線開業に向けてかぎを握るとされる関西・中国地方をターゲットにしたKANSAI戦略の取り組みに着手、5月には、関西地域の有識者をアドバイザーに任命し、8月には、アドバイザーを講師に招きシンポジウムを開催したり、また、6月12日には、熊本を世界にPRし誘客を図るため、歴史回廊くまもと観光立県の宣言をされるなど、蒲島知事のもとで本格的なスタートがなされたと認識しております。
こうした一連の動きに対して、県民の多くが、観光立県に取り組む知事の力強いリーダーシップに期待していると思います。ただ、先行きが見えない経済状況の中で、観光戦略は、各自治体が生き残りをかけた重要な経済対策として取り組んでいることから、激しい地域間競争になっている現状もあります。
そこで、本県が今後の観光戦略を進めるに当たって、幾つか気になる点がありますのでお尋ねをします。
まず初めに、やはり観光戦略といえば、すぐれた県産品の紹介や総合的な販売機能を備え、県下の観光情報の提供機能を持つ拠点の存在が重要ではないかと思います。
特に、県下最大の都市である熊本市において、新幹線全線開業時に向けて、県内外を問わず、あらゆる観光客のニーズにこたえられる拠点は必要不可欠だと考えます。現在その役割を担っているのが熊本市産業文化会館内にある県物産館や観光物産交流スクエアであり、熊本市の場合は市の観光物産館であると思います。
残念ながら、県が支援する2つの施設については、今の状況から見ますと、全線開業時に向け、充実した機能を持つ拠点とは言いがたいと思います。
この問題は、平成17年の9月定例議会の代表質問で、充実した拠点の必要性と適切な場所について質問しましたが、答弁では、観光物産交流スクエアは売り上げが好調ということもあり、積極的な運営を展開していくとありましたが、県物産館については、県民や観光客にわかりやすい場所にないことから、経営的に物産館単独で収益を上げていくことはなかなか厳しい状況にあります、このため、県としては、今後の状況を見ながら、新幹線の全線開通を見据えた熊本駅における物産振興について検討を行うと答弁がありました。
私は、県物産館に対して、厳しい経営の認識と熊本駅周辺に移動の可能性を示していただいたので、移転の時期、場所について大変気になっていました。ところが、今回、突然県物産館を今の産業文化会館からNTT支店に移転するとの発表があり、驚いているところです。
そこで、質問の第1点目ですが、今回の県物産館の産業文化会館からNTT支店への移動について、これは暫定的な措置なのか、それとも長期的な計画なのか、お尋ねしたいと思います。そして、熊本駅周辺に設置するという考えはもう消えてしまったのでしょうか。
また、熊本市が合同庁舎横の桜の馬場駐車場一帯に市の観光総合案内所をつくる計画やNTT支店周辺では中心市街地の再開発の計画があり、今後周辺には類似する施設がふえることも予想され、埋没してしまうことはないか心配します。今回の移動決定について、どのような判断で決められたのか。
また、観光立県推進の立場から、観光物産館の位置づけをどのように考えているのか、お尋ねをします。
第2点目の質問ですが、拠点づくりとあわせて、もう1つ、観光の目玉として、県と熊本市がかかわって何かできることはないかと考えていたのが、熊本城周辺から熊本駅まで坪井川による舟運構想でした。平成16年12月の議会で取り上げたときの答弁では、市と十分な議論を重ね、検討をしてまいりたいということでした。
すると、8月中旬、熊本城400年と熊本ルネッサンス県民運動本部は、坪井川に観光船を運航する構想について、市と県とともに実現可能性を探る検討組織を今秋にも発足させる方針を明らかにしたと新聞で知りました。
市のコメントとして「非常に意義あるプロジェクト。市としても実現させる方向で検討したい」とあり、市の積極性が感じられましたが、舟運構想実現には、舟運に必要な施設の整備や運営上の問題を初め、解決すべき課題が多々あります。
そこで、県として、市との協議も含め、坪井川の舟運構想はどのように考えておられるのか、お尋ねをします。
私は、舟運構想だけではなく、あわせてリバーミュージアム構想を改めて訴えたいと思います。
今回の対象区間は、河川幅が狭いため、堤防面はコンクリートの直壁になっております。せっかく箱船に乗っても、見える景色はコンクリートと家裏だけとはわびしいものがあります。
そこで、直壁を利用し、ある程度の大きさのパネルを並べて、熊本の歴史を紹介する絵であるとか、民謡だとか、風景だとか、中には現代アートの展示があってもいいのではないかと思います。
リバーミュージアム構想については、全国に向け話題性もあると思いますので、ぜひ実現に向け取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
第3点目の質問ですが、知事が掲げる記憶に残る観光地を目指すならば、ソフト、ハード面の充実は欠かすことができません。
過日、こんな読者の投稿記事を見ました。アメリカから親戚が来て、阿蘇山に出向き、世界一のカルデラと自慢し説明をしたと、着いてみると、廃墟と化した建物の出迎えで皆びっくり、気を取り戻して山頂に向かい、着いて火口を見せ、やっぱり世界の阿蘇ねと大感激してもらい、その帰りにトイレに入ったら、余りの汚さにびっくり仰天、世界の阿蘇が何でこんな状況なのですかと問われ、返答に困ったとの内容でした。記憶に残ってほしくない記憶です。
このような話は全国どこでもあると思いますが、今後問題があれば一つ一つ改善に向けて努力をしなければ、歴史回廊くまもと観光立県を宣言したはずが、早く帰ろうと宣言されたら大変なことであります。
知事が叫ぶ、何度も来たくなるおもてなし作戦、大変重要なことだと共感します。それを具体的に実現するために、今回、新行動計画や観光推進条例の制定に着手されたと聞いていますが、5年前に提案したのですが、当時は取り合っていただけませんでした。大変期待したいと思います。
そこで、今回の条例策定に当たり、最も重要視する点は何でしょうか。行政としての役割、県民としての取り組み、官民一体の関係などいろいろあると思いますが、進捗状況とあわせて教えていただきたいと思います。
以上、1点目と3点目は商工観光労働部長にお尋ねします。2点目は地域振興部長にお尋ねをいたします。
〔商工観光労働部長島田万里君登壇〕