熊本県議会 本会議で城下広作の会議録
・地球温暖化防止対策と県の取組みについて

(1)自治体におけるISOの取組み
(2)企業におけるISOの取組み
(3)学校におけるISOの取組み

◆(城下広作君) 文化芸術に関しては、いわゆる体験をするとか、本物を見るという機会は非常に大事なことだと思います。私は、田舎の中学校だったんですけれども、体育館で見た本物の芸術の一つの中に、役者さんの名前は忘れましたけれども、当時演劇を体育館で見させてもらいました。あったのが、レ・ミゼラブルとビクトル・ユゴーので大変感動しました。そして役者の方が後になって話をされたときに、とにかく役者に大事なのは声が大きいのが大事だということで、私は役者になれませんでしたけれども、声だけは大きいという形で、その分教えてもらったなという感じがいたします。  また、落書きの問題でございますけれども、やはり今、注意をして終わればいいんですけれども、なかなかこれがやっぱりおさまらない。今、人吉のあるトンネルでは、(写真を示す)こういう形で、落書きをされる前に県が先にかいておこうということで、きれいなものをかいている、この上にまた書いてしまったら、これはもうとんでもないことだなということで、やはり本当に周りが、大人も含めて監視をして注意を諭すと、しかし最近、注意を諭せばやられるかもしれないという恐怖感から、逆に黙っているというイタチごっこだと思います。熊本市内で先般捕まったケースは、たまたまタクシーの運転手の方が発見をして携帯電話で警察に通報し、現行犯で逮捕するという形になったわけです。本当に、真の意味で撲滅を図っていきたいなというふうに考えております。  次に質問を移りたいと思います。  地球温暖化防止策と今後の取り組みについて御質問をいたします。  ことしもうだるような暑さで、ちょっと太りぎみの私には、太陽が憎らしく感じる日もありました。幼少の昔に記憶をたどれば、三十五度を超えれば、それこそ灼熱地獄とばかり大騒ぎをしていたような気がします。しかし、今では、きょうも暑かったなと一言で終わる人が多く、驚く人はほとんどいなくなったと思います。  事実、ことしの夏も、熊本市で三十五度を超えた日が十日間もあり、九月に入っても残暑が厳しい状況でした。夏だからと割り切れればいいのですが、原因が二酸化炭素などの温室効果ガスによる地球温暖化のせいであるとすれば、少し穏やかではありません。  ニユースで耳にする話はおかしなことが多くなりました。例えば、関東では、海外旅行の渡航歴のない十四人が国内でコレラに感染しました。大変珍しいことだそうです。日本は温帯国、亜熱帯国にしか生息しない昆虫や動植物が国内に住みついているのが確認されたり、本県でも天草を中心にサンゴ礁が大量に生息し始めたりと、何かが確実に変わってきているようです。  海の向こうでも、百年に一度、百五十年に一度と言われる大雨洪水被害のヨーロッパ地方、草原の砂漠化が急速に広がるモンゴルの国、アラスカやカナダにまたがる氷解現象、おのおのの原因に地球温暖化が深く関係しているのではないかとささやかれ、地球温暖化のスピードは間違いなく世界各地で加速度を増しているようです。  当然、世界各国も黙って見過ごしているわけではありません。一九七二年、ストックホルム会議で、初めて国連の場で環境問題が論議され、それ以来幾多の会議を隔てて、一九九七年、我が国が議長国となって推進してきた京都議定書、地球温暖化の最大の原因である温室効果ガスの排出量について、二〇〇八年から二〇一二年までの間に一九九〇年比でどれだけ削減するかを各国ごとに義務づけたものであります。当然先進国は批准の義務があると思いますが、世界最大の温室効果ガス排出国のアメリカは、今のところ議定書から離脱を表明、日本の説得がかぎを握ると世界が注目をしています。我が国も六月四日にようやく正式に批准しました。  これからは国を挙げて取り組まねば六%という義務をクリアをすることはなかなかできません。政府も真剣に取り組まざるを得ないので、国内だけでは無理と考えたのか、カザフスタン共和国やロシア共和国と排出量の取り引きについて交渉を行ったようであります。自国だけで目標達成といきたいのですが、理想よりも現実の選択をするほど、事は重大である裏づけだと思います。  当然、国の施策は県の重要政策、本県も平成八年三月、熊本県地球温暖化対策地域推進計画を策定し取り組んできましたが、さらなる対策強化のため、同計画を見直し、平成十三年六月、熊本県地球温暖化防止行動計画を策定したようです。県みずから模範を示す意味からか、庁舎内の夏場は非常に暑いとの声も聞きます。小まめな消灯、これも目標達成には仕方がないことと庁舎内の努力に拍手を送りたい気持ちです。  一連のこうした取り組みは、平成十四年三月、熊本県のISO一四〇〇一認証取得でさらに強化の度合いを増していくことと思います。最近は、ISO一四〇〇一という言葉も広く定着し、至るところで目にするようになりました。事務所の壁、窓ガラス、名刺など、最初のころは新しい電話番号と思い込んだり、緊急避難連絡所と勘違いをした方がいたかは定かでありませんが、環境悪化を防ぎたい、地球温暖化を食いとめたいという思いがあっての取得だと思います。  県も、地球温暖化防止行動計画の削減目標設定の中に、二〇一〇年までに一九九八年の温室効果ガスの総排出量一千四百七十万八千トンから二一・五%、三百十五万七千トン削減するとしています。また、森林による二酸化炭素吸収量を一九九八年レベルに維持すれば、双方合わせて一九九〇年に比べ六%削減でき、目標達成するということだと思います。  確かに、我が県は、県民一人当たり排出量が、国民一人当たり排出量より、九〇年一〇・〇〇に対して六・五一、九八年一〇・五六に対して七・八九と、どちらとも低いわけですが、伸び率から見た場合、一九九〇年と比べると、温室効果ガスの排出量の全国の伸び率八%を大きく上回る二二・七%となっています。  この数字から酌み取られることは、今までは本県の場合全国平均より下回っていましたが、今の伸び率を考えれば、二〇一〇年の時点で全国平均を超え、目標数値が達成できなくなるのではないかと心配をします。  そこで、第一点目の質問ですが、温室効果ガス排出量の削減は、県のように行政みずから実践して広く県民に支持されると思います。  その一つの実践方法として、ISO一四〇〇一認証取得という手段があると思うのですが、現時点において、我が県では、第一号の水俣市と八月に認証取得した大津町を合わせて三自治体で、取得の準備をしているのが、熊本市、本渡市、菊池市、宇土市と合わせて七自治体、県下の市町村の数から見れば一割を満たない状況ですが、県として各自治体の認証取得の取り組みをどのように考えておられるのか、お尋ねをします。  第二点目の質問ですが、県内事業所については、六月現在で六十七件認証取得をしているという状況を聞いていますが、中には、取得をしたくても費用がかかるので取りたくても取れないというところも多いようです。やはり自治体だけではなく、民間企業の認証取得もある程度拡大することが望ましいのではないかと思いますが、民間企業に対する認証取得や支援協力をどのように考えておられるのか、お尋ねをします。  次に、第三点目の質問ですが、やはり環境問題は大人の取り組みも大切ですが、子供の教育の中でしっかり取り組んでいただければ、将来のため一番よいことではないかと考えます。香川県では、県と香川県教委がISOを取得したことの一環で、ISOの手法を参考にした学校版ISOを県内全小中学校の認証を目指していると聞いています。  本県でも、水俣市を初め幾つかの市町村が取り組み中と聞いていますが、県としての考え方、今後の取り組みをお尋ねしたいと思います。  以上三点、環境生活部長にお尋ねをします。   〔環境生活部長髙本信治君登壇〕